ソフトバンクは11月4日、2021年度上期(4月~9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比12%増の2兆7,242億円で半期では過去最高を更新した。全セグメントで増収を達成し、特にヤフー・LINE関連事業の売上高が35%増の7,510億円と躍進した。そのほか、流通事業が4%増の2,440億円、法人事業が5%増の3,509億円、コンシューマー事業が6%増の1兆3,784億円となった。

  • ソフトバンクの2021年度 上期(7月~9月) 連結業績

一方で、営業利益は3%減の5,708億円、純利益は2%減の3,073億円となり減益。ヤフー・LINEと法人がそれぞれ、18%増(1,155億円)、15%(740億円)増と順調に増益した一方で、コンシューマー事業は信料の値下げと昨年の会計上の一過性利益の影響により、10%減の3,647億円となった。

ソフトバンクは、2021年度通期の業績について、売上高が5兆5,000億円(前年比5.6%増)、営業利益が9,750億円(0.4%増)、純利益が5,000億円(1.8%増)になると予測している。

2021年度第2四半期(7月~9月)のスマートフォン累計契約数は、6%増の2,650万と堅調に台数を伸ばしており、5G(第5世代移動通信システム)プランの契約数も1,000万台を超えた。

  • スマートフォン 累計契約数

  • 5Gプラン累計契約数

法人事業の業績の伸びも著しい。2021年上半期に関して、固定通信の売上高は減収となったが、ソリューションなどの事業は10%増収して1,012億円を記録した。そのうち継続収入は21%増の756億円となった。

  • 法人事業ソリューションなど 売上高

また、グループとして展開しているスマホ決済サービス「PayPay」は、登録ユーザー数が2021年11月時点で4,300万人を超えた。半期の決済回数は81%増の16.6億回を記録し、決済取扱高は68%増の2.4兆円に達した。

PayPayは2021年10月より中小店舗の決済手数料を有料化したが、決済取扱高(月間約4,000億円)に占める有料化発表後に解約を行った店舗の割合は0.1%と、手数料有料化による業績影響は軽微としている。

  • 「PayPay」手数料有料化による業績影響は軽微

同社は今後、東南アジア最大級の通信グループと業務提携を結ぶなどDX(デジタルトランスフォーメーション)ビジネスの海外展開を加速し、企業価値向上に向けた戦略を打っていく方針だ。