Microsoftは10月5日、次世代OSと銘打った「Windows 11」を正式リリースした。Windows 11にはUIの刷新をはじめとして多くの新機能が含まれているが、その一方でインストールに必要な要件が厳しく、依然として多くのユーザーがこの新OSを入手することができないでいる。そんな中、IT資産管理ソフトウェアを提供しているLansweeperが、企業で利用されているWindows端末におけるWindows 11への対応状況に関する調査結果を公表した。
Lansweeperによるレポートは、その要約と合わせて次のサイトで公開されている。
Windows 10のシステム要件のうち、最も重要な要素がCPU、メモリ、そしてTPM(Trusted Platform Module)の3つだろう。CPUは「1GHz)以上で2コア以上の64 ビット互換プロセッサまたはSoC」、メモリは「4GB以上」、そしてTPMは「TPM 2.0のサポート」が必須となっている。手動でインストールする場合、CPUはチェックされないが、自動アップグレードはこの3つの要件すべて満たさなければ発生しない。
Lansweeperの調査によると、調査対象となったワークステーションのうち、RAM要件については91%以上が満たしていたものの、TPM要件は52.5%、CPU要件にいたっては44.4%しか満たしていなかったという。つまり、自動アップグレードを受け取ることができるワークステーションは半分以下で、残りの55.6%は自動アップグレードには対応していないことを意味している。
TPMについては約半数のワークステーションが要件を満たしているという結果だが、Lansweeperによればこれは物理マシンの場合の比率であって、仮想マシンに対する調査ではTPM 2.0が有効になっているワークステーションはわずか0.23%だったとのこと。仮想マシンでTPMを有効にするためにはTPMパススルー(vTPM)を使用する必要があるが、現状ではほとんど利用されていないことがわかる。
また、サーバマシンにおいては、物理サーバでTPM要件を満たしているのは1.49%、仮想サーバでは0.08%と、現状ほとんどのサーバがWindows 11にはアップグレードできないことがわかったという。
Windows 11にアップグレードできない場合は引き続きWindows 10を利用することになるが、Windows 10は2025年10月にサポートが終了する予定となっている。組織は、将来的なビジネスの継続性を考慮した上で、ハードウェアを刷新する時期について検討する必要があるだろう。
注意:Windows 11 Pro Insider Preview, verion Dev build 22468にて動作を確認。これ以外のアップデートおよびビルドでは動作が異なる可能性があり注意が必要。