IDCは10月5日、「国内パブリッククラウドサービス市場予測」を発表した。これによると、2021年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は2020年と比べて20.3%増の1兆5087億円になり、2020年から2025年にかけて年間平均成長率(CAGR) 18.4%で推移し、2025年には2020年と比べて2.3倍の2兆9134億円になるという。
現在、多くのベンダーが企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する施策を強化しており、これには技術的な課題の解決に加え、人材育成や組織/文化変革なども含まれる。企業のDX/データ駆動型ビジネスに関わる投資が活性化され、今後の国内パブリッククラウドサービス市場の高い成長を牽引すると同社は見ている。
企業がDX/データ駆動型ビジネスを進めるために、国内パブリッククラウドサービス市場では、クラウドネイティブアーキテクチャーが急速に浸透し始めている。一方、クラウドネイティブは複数の技術/製品を組み合わせて実現するが、そのベストプラクティスは整備されていないという。
現在、クラウドネイティブを実現するために、新しい製品/サービスが登場し、またOSS(オープンソースソフトウェア)の利用も促進しており、ベンダーのエコシステムの再編が始まっている。
同社ITサービスのリサーチディレクターである松本聡氏は、「従来のビジネスの延長線上で製品/サービスを強化しても、ベンダーは競争力を高めことはできない。ベンダーは、クラウドネイティブ時代におけるエコシステムにおける自らのポジションを明確化し、戦略的な投資によって短期間で特徴/強みを提示できる製品/サービスを開発することが重要である」と述べている。