NECは9月13日、ホテルマリナーズコート東京で7月13日から9月10日までの間、ホテル従業員向けに顔認証と虹彩認証を組み合わせたマルチモーダル生体認証による入館管理システムの実証実験を実施していたことを発表した。

  • マルチモーダル生体認証利用の様子

顔・虹彩のマルチモーダル生体認証では、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術である顔認証技術と、左右の目で異なる虹彩情報を用いて高度な個人識別が可能な虹彩認証技術を統合し、認証を行う。同社は2022年春の製品化を目指し、開発を進めている。

同認証技術の他人受入率(他人が認証を行った場合に本人と誤認してしまう割合)は100億分の1以下となる。また、用いてマスク着用のまま非接触で本人確認ができるため、同認証技術は新型コロナウイルス感染症などの感染リスクの低減にも貢献できる。

ホテルマリナーズコート東京は、実証実験期間中に実施された国際的な大規模スポーツイベントの主要拠点の近隣に位置しており、関係者区域内への不正入館を防ぐ高度なセキュリティ対策と、従業員の本人確認業務の効率化が必要とされていた。そのため、今回の実証実験では従業員通用口に、同認証技術による入館システムを設置し、通用口を利用する従業員の本人確認、入館管理システムとの連携による履歴管理を行った。