日鉄ソリューションズ(NSSOL)とフェアリーデバイセズは8月16日、作業現場を持つ企業に対する生産性・安全性の向上を目的としたIT支援において、協業を開始したことを発表した。
両社は、2020年より現場支援に必要なアプリケーションやウェアラブルデバイスの提供に向けて共同で検討し、NSSOLのIoXソリューションである現場の安全モニタリングソリューション「安全見守りくん」、遠隔作業支援ソリューション「ARPATIO」と、フェアリーデバイセズのウェアラブルデバイス「THINKLET」の適用性検証を行った。その結果、NSSOLは生産性・安全性のための適合デバイスとしてTHINKLETをラインナップに加え、8月16日からの提供開始を決定したという。
「安全見守りくん」は、大規模なプラントを有する鉄鋼、金属、化学、重工業、電力、製紙を中心とした顧客に利用され、安全第一とした現場の作業支援を実現してきたという。作業者の動態検知、位置情報管理等の基本機能に加え、携帯ガスセンサー連携、Wi-Fiカメラ連携など、現場ニーズをもとにしたエンハンスを継続的に実施しているという。
また「ARPATIO」は、スマートフォンなどを用いて作業現場の作業員・管理者間のコミュニケーションを強化するソリューション。映像、音声を活用し、遠隔からの作業指示や現場の映像・資料共有が可能で、特にコロナ禍での三密回避に有効だとしている。
フェアリーデバイセズの「THINKLET」は、現場作業に対するAI、音声認識による効率化、高度化に加え、それらを支えるDX基盤となるウェアラブルデバイス。4GLTE/Wi-Fi、AIチップ、広角カメラ/高性能マイク、各種センサーを搭載し、装着者が見ているものや聴いていることをリアルタイムにデータ化し、情報活用を可能にするという。頭ではなく頸部に装着することで作業者への負担を軽減するとともに、内蔵カメラでの安定的な一人称視点での撮影を可能とし、複数の高性能マイク制御とエッジ音響処理によって騒音下でのクリアな音声抽出が可能だという。
NSSOLは「安全見守りくん」および「ARPATIO」の適合デバイスに「THINKLET」を加えることで、より広い現場の安全作業支援ニーズに応えることができるとしている。今後、フェアリーデバイセズがさらなるデバイスおよびMDMや音声AIなどのクラウドテクノロジーの開発・提供、NSSOLがフェアリーデバイセズ製デバイスを最大限に活用するアプリケーションを開発・提供することで、様々な現場作業の安全・効率化・高度化を推進していくという。
将来、THINKLETの活用に加え、フェアリーデバイセズが持つAI音声認識技術と、NSSOLが持つAI画像認識技術を「安全見守りくん」に機能追加することで、ハンズフリーでの質の高い現場支援、コロナ禍におけるソーシャルディスタンスの確保、画像・映像による作業分析を行うことによる的確な作業指示、作業ミスの撲滅、熟練者の技能・技術の抽出・伝承などを実現するソリューションなどを提供していくとしている。