大日本印刷(DNP)は7月13日、従来のVR(Virtual Reality)モデルルームと比較して、マンション等の間取り作成期間を短縮可能な「DNPバーチャルエクスペリエンス VRモデルルーム・ライト」を開発したと発表した。

  • 「VRモデルルーム・ライト」の画面イメージ

同社は2019年より、マンションや戸建て住宅等のCADデータや図面等をもとに、VR空間上で、間取りやインテリアのコーディネートを疑似的に体験できる「DNPバーチャルエクスペリエンス VRモデルルーム」を提供している。

しかし近年では、新型コロナウイルス感染症の流行もきっかけのひとつとして、非接触・非対面でのやり取りを希望する利用者や、自宅などからも遠隔で確認したいという生活者が増加しているという。

こうした背景を受けて、従来は1タイプの間取りの制作に約4ヵ月かかっていた「DNPバーチャルエクスペリエンス VRモデルルーム」に対し、5タイプの間取りを約1ヵ月の短期間で制作できる「VRモデルルーム・ライト」の開発に至ったとのことだ。

同システムではキッチンやドア、洗面台、トイレなどの住宅設備に、同社が作成済みの既存データを流用することで、製作工程を簡易化している。そのためCGの作成期間が短縮可能で、複数の間取りタイプを比較検討したい場合や期間の短い竣工前の販売の場合にも、同システムを活用できる。

  • キッチンは既存のデータを利用している

同システムは住宅販売事業者が運営するギャラリーや、販売センターに設置しての利用を想定している。短期間で作成可能な同システムを利用することで、生活者は大画面ディスプレイやヘッドマウントディスプレイを装着して、モデルルームをVR空間で疑似的に体験できるようになる。

同システムの導入によって、事業者はモデルルームの用地取得や施工、家具・小物などの調達にかかる手間とコストを削減できる。また、同システムで構築したVR空間はWebサイト上にも展開可能で、パソコンやスマートフォンから360度のパノラマ視点で見学できる。そのため、同システムは非接触・非対面での営業を支援できるとのことだ。