GRANDITは7月6日、中小企業向けの国産統合型クラウドERP「GRANDIT miraimil(グランディット ミライミル)」の提供を10月から開始すると発表した。同サービスは業種固有の商習慣をパターン化したもので、前身となる「GRANDIT」シリーズで導入実績が豊富な「商社・卸売業」と「サービス業」に特化した2プランから提供を開始する。
GRANDITは複数のSI企業が中心となりコンソーシアム方式で開発した、国産のERP(統合基幹業務システム)であり、製造、卸、商社、サービスといった業種を中心に1200社以上で導入されているという。販売管理や人事給与管理、生産管理、在庫購買管理など、企業活動における管理業務をサポートする。
日本企業の大部分を占める中小企業では、IT人材の不足などの理由から、DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入は15%程度にとどまる。特に中小企業では「ひとり情シス」と呼ばれるように、IT担当者への業務の集中や属人化によって、社内のシステムの最適化が進まない課題が多い。本来は企業価値や競争力の向上のために投資が行われるべきだが、システム維持のコストに取られてしまっているという。
こうした背景を受けて同社は、中小企業の成長を支えることを目的に、中小企業向けの統合型クラウドEPR「GRANDIT miraimil(グランディット ミライミル)」10月から提供を開始する。
代表取締役社長 石倉努氏は新サービス発表会で「miraimilという名前には未来を見通すツールとしての意味と共に、未来への飛躍をサポートする思いを込めている。2024年には200社、2026年には500社での導入を目指す」と語った。
同サービスは継続契約、債権、販売、調達・在庫、債務、経費、人事、給与、資産の基幹業務10種類を、事業拡大に合わせ自由に組み合わせて統合利用できる。また、承認ワークフロー機能を標準搭載しているため、業務処理のペーパーレス化と迅速な意思決定にも貢献するとしている。
従来のオンプレミス型GRANDITと比較して最短で3カ月での導入が可能であり、平均で80%の導入コストを削減できる。主要機能をクラウドサービスで提供し、さらに日本企業の各業種固有の商習慣をパターン化しているため、中小企業でも導入しやすいとのことだ。
また、システム基盤はMicrosoft Azureの占有環境であり、同社の専任スタッフによる運用保守および監視サポートが付いているため、ハードウェアとソフトウェアの両面でシステムの保守運用が不要となり、IT担当者の業務負荷の軽減も期待できるという。
「商社・卸売業」と「サービス業」の2業種から提供を開始するが、今後は他業種に向けてプランを拡大していく予定だ。価格は10名程度の利用で月額49万5000円からで、別途導入支援費用が発生する。詳細は要問い合わせ。