日立製作所、積水ハウス、企業間情報連携推進コンソーシアム(NEXCHAIN)の3者は5月20日、大阪市の協力の下で、積水ハウスが提供する同市内の賃貸物件において同意を得た入居者を対象に、積水ハウスの賃貸契約と同市への水道使用開始に関する一連の手続きをブロックチェーンを使用してワンストップで実施する実証実験を開始する。期間は6月30日までの予定。
今回の実証は、不動産賃貸管理会社が入居申込・契約時に得た本人確認情報をインフラ会社・事業者と連携することで、賃貸入居後に必要な電気やガス、水道などの契約手続きの効率化を目指すもの。
今回は水道使用開始手続きを対象に、積水ハウスと大阪市の間でブロックチェーン技術を使用する官民データ連携の検証を行う。
今回の実証実験は、住民の利便性向上や大阪市水道局における業務効率化とオンライン化の推進が目的といい、日立が実証の企画・推進を取りまとめ、積水ハウスが持つ入居者の登録情報を、NEXCHAINプラットフォームを通じて大阪市水道局と連携する。
入居者は、物件の賃貸借契約時に賃貸入居申込サイト(ShaMaison room Web)から必要な情報を登録すると水道使用開始手続きも一括して可能となり、利便性が向上するとしている。
また、登録情報をNEXCHAINプラットフォーム経由で連携することで、大阪市水道局のコールセンターにおける電話による申込からWeb申請へのオンライン化推進、業務効率化に向けた効果検証を行う。
なおNEXCHAINは、賃貸入居プロセスをワンストップ化する商用サービスを2021年1月に提供し、民間企業間でのデータ連携を開始したとのこと。今回の実証実験は、官民でデータを連携する初の取り組みという。実証の内容と各者の役割は以下の通り。
3者は今後、今回の実証実験の成果を基に、サービス適用範囲の拡大や本格導入に向けて賃貸入居手続きのワンストップ化を推進していく方針だ。
また日立は大阪市と共に、2025年に開催予定の大阪・関西万博を見据えたスマートシティの社会実装に向けて協創を進める他、これらのデータ利活用やスマートシティ開発の知見・技術を使用して同じ課題を持つ自治体への展開を図り、自治体分野のデータ利活用の促進およびスマートシティの実現を支援するとしている。