アカマイ・テクノロジーズは4月21日、同社がアプリケーションデリバリーやセキュリティサービスの提供基盤として利用している、世界135カ国34万台のサーバを、JavaScriptの開発基盤「Akamai EdgeWorkers (以下、「EdgeWorkers」)」として、国内提供を開始すると発表した。
開発環境としては無料で利用できるが、実装時は実行するスクリプト数に応じて課金される。プログラマーは、developer.akamai.com に登録することで EdgeWorkers を利用したアプリケーションの開発を行うことができる。
同社は、先月開催した事業戦略発表会中で、2021年度の国内重点分野として、エッジコンピューティングを挙げている。今回のEdgeWorkersは、そのための1つのサービスとなる。
アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長 山野修氏は同社がエッジコンピューティングに注力する理由を、グローバルでのエッジコンピューティング市場は、2028年に10兆円規模になるというcowen and Companyの予測データを示しつつ「エッジ市場はまだまだ小さいが、数年でパブリッククラウドと同じようになる。今後はIoT、コネクテッドカーがデジタルタッチポイントとなり、数十億個のデバイスがつながり、クラウドだけでは処理できないため、機能が徐々ににエッジに移行すると考えている。エッジで分散処理することによって、リアルタイム処理が可能になる」と説明した。
EdgeWorkersで作成されたロジックは、アカマイのエッジプラットフォーム上に自動で展開され、エンドユーザーに近いエッジでロジックを実行して分散処理される。
アカマイ・テクノロジーズ Web Performance Architect 伊東英輝氏は、EdgeWorkersのメリットについて、エンドユーザーの近い場所で処理できる、サーバ管理から解放される、キャパシティプラン不要である、動かしたイベント数で課金、すぐに動かせるなどを挙げた。
同氏は用途として、サーバー遅延をエッジで処理することで解決する、クッキーなど、クライアントでの制約をエッジで解決する、大量のアクセスが予想される、サードパーティのソリューションなど、サーバに導入できないソリューションをエッジで代替する、サーバー処理をエッジで分散処理する、クライアント処理の簡素化などが考えられるとした。