電通デジタルは12月、ナレッジコミュニケーションと協業し、顧客の購買、解約、嗜好性などの予測モデルを「説明可能なAI（explainable AI：以下XAI）」の手法を用いたアジャイル型開発で支援するコンサルティングサービスを提供開始すると発表した。

同社によれば、多くの企業がAI/機械学習のPoC（Proof of Concept：概念実証）で開発した予測モデルの結果が、現場で活用されずに実運用に至らないという課題に直面しているという。これは、ウォーターフォール型でPoCの工程を着実に段階的に進めていくプロセスが定着しており、開発途中での変更、追加が困難なことが要因だという。

新たに提供されるサービスでは、アジャイル型によってXAIを用いた予測モデルのプロトタイプを構築し、予測結果を利用する現場スタッフや営業担当者からのフィードバックの反映と改善を高速で繰り返すことで、現場のニーズに沿った営業アタックリストや顧客プロファイルシートを提供するという。

  • 一般的なAI開発と電通デジタルのAI開発の違い

さらに、ナレッジコミュニケーションと協業し、同社が導入支援をするAI/機械学習に特化した統合データ分析基盤である「Databricks」(データブリックス)を活用することで、エンタープライズレベルのデータ処理を開発・分析できる環境を構築する。

自社に開発環境を保有しない企業でも可能で、環境構築を含め3～6カ月の期間でPoCを実施。サービスを通じて、事業成果の最大化を目指すという。

  • 電通デジタル式「XAI×アジャイル」アプローチの概要図