ISIDと旭化成は11月27日、ISIDのブロックチェーン技術を活用した農業データ流通基盤 「SMAGt(スマッグ)」と旭化成が展開するクラウド型生鮮品物流システム 「Fresh Logi(フレッシュロジ)システム」を連携させ、2020年11月21日から都内大手小売りスーパーで実証実験を開始したと発表した。

SMAGtは農産品の生産履歴から出荷、流通、販売までをブロックチェーン技術を用いて記録する農業データの流通基盤。現在まで複数の自治体・企業と協力しながら社会実装の検証を進めており、同実証実験もその一環だという。

  • 「SMAGt」と「Fresh Logi」連携によるスマートフードサプライチェーン

今回ISIDは、旭化成が展開するFresh Logiシステムでセンシングする輸送時の環境データをSMAGtに自動連携する仕組みを開発した。この仕組みにより、商品に張り付けられたQRコードを読み取るだけで、SMAGtが管理する産地・農産品のトレーサビリティや、流通・物流における経路情報に加え、Fresh Logiが管理する輸送品質情報までの取得が可能になる。

  • SMAGtによる「こだわり情報発信」のイメージ

同実証実験はスーパーを利用する一般消費者を対象に実施している。流れとしては、まず、宮崎県綾町の農産品を、集荷業者による予冷後に、Fresh Logiボックスを利用して都内のスーパーまで配送する。

農産品が配送された店頭では、POPやディスプレイでの商品訴求に加え、商品に張り付けられたQRコードを消費者がスマートフォンなどから読み取り、生産者のプロフィールや個々の生産履歴などの情報とFresh Logiボックスにて測定された輸送環境データおよびそのデータに基づく輸送品質評価が確認できる。

両社は、これらの提供する一連の情報が、消費者理解の向上や新しい購買行動につながるかなどの効果を検証し、同取り組みの事業化を目指す方針だ。