freeeでは2018年から「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、個人事業主から中小企業まで幅広く“スモールビジネス”を支えるサービスを提供している。そんな同社が「freeeアプリアワード2020」を開催する。今回、アワードの運営メンバーであるfreee プラットフォーム部 部長の前村菜緒氏に話を聞いた。
まずはアワードの概要について整理してみよう。アプリアワード自体が同社初の試みであり、テーマは「求む!みんなの『困った』を解決するアプリ」だ。困りごとの一例としては経費精算、打刻忘れ、長時間労働、意思決定の迅速化などを挙げている。
コンセプトについては、前村氏は「スモールビジネスにおける経営の困りごとを技術で解決することです。単にアプリを開発して賞金を得るというよりは、中小企業さんなどが困っていることに対して技術で貢献しましょうというメッセージですね」と話す。
同社は2013年から会計ソフトのパブリックAPIを公開し、「freee オープンプラットフォーム」として請求書や人事労務領域などのAPIの公開範囲を拡充しており、それ以外にもさまざまなクラウドサービスと同社の各種サービスとのAPI連携により、クラウド上にある多様なデータを一元管理、全社最適化の実現を目指している。
アワードでは、会計freee、人事労務freee、freee受発注サービス(β版)のAPIを活用したアプリの開発が審査対象(8月17日時点でfreeeアプリストアに公開履歴がないアプリが審査対象)となる。
審査基準は「本質的か」「革新的か」「Easy & Fun」の3つ。これは、仕事現場の問題を的確にとらえて本質的な課題解決(マジ価値)につながっているか、スモールビジネスの現場の助けになり仕事現場を進化させているか、「楽しさ」「使いやすさ」を感じる「Hack」になっているかの観点で審査する。
以下は、アワードの紹介動画だ。
賞品・副賞は大賞が100万円、副賞が30万円×2に加え、協賛企業との連携アプリを開発したアプリを対象に選定する提携賞を用意し、IBM賞(IBM Cloudとの連携アプリ)、kintone賞(サイボウズのkintoneとの連携アプリ)、マイクロソフト賞(Microsoft Power Platformなど日本マイクロソフトのサービスとの連携アプリ)、LINE賞(LINEが提供する各種APIとの連携アプリ)が各10万円となる。また、特別賞としてコンセプト・完成度・実用性などに優れたアプリから特別賞を授与し、「マジ価値」賞、「社会の進化を担うで」賞が各5万円。
前村氏は「APIを用いてデータので仕入れや加工するなどデータのやり取りがされていることが前提ですが、ガチガチの技術系というよりも、ライトなアプリが出てきてほしいですね。freeeで使うためと限定してほしいわけではなく、ご自身の身の回りにおける困りごとを解決するものであれば、どのようなものでも大丈夫です」と説明する。
スケジュールは応募締め切りが11月18日、結果発表が12月16日を予定し、2021年2月に開催予定の同社イベント「Biz Tech Frontier 2021」で表彰を行う。
最後に同氏は「当社としては、APIを活用して多様なソリューションを生み出すことがプラットフォームの在り方ですし、ひいては中小企業の課題解決に貢献することにもつながります。今後も定期的にアプリアワードの開催を検討していますし、スタートアップミーティングなども視野に入れています」と、意気込みを語っていた。