富士通は8月5日、デジタルプロセスが開発した製造業における生産準備業務のデジタル化支援ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS(以下 VPS)」シリーズの新バージョンを、同日から販売開始することを発表した。
新バージョンの「VPS Standard」「VPS Manufacturing」では、製品の生産準備工程において、製品の組み立てで使用する部品や作業手順、場所、設備や治工具、製造ノウハウといったデータ(工程情報)を紐付けて蓄積・管理するBill of Process(BOP)を過去機種モデルから新機種モデルに流用することが可能となった。
これにより、VPS上での工程順序や工程情報を従来の約半分の時間で作成可能となり、新機種モデルや別工場での同製品の工程計画時などに、工程検討を効率的に短時間で実施できるということだ。
また、製品の製造工程における作業品質を管理するために作成されるQC工程図および工程FMEA表に必要な情報を、VPS上で表形式で入力できる機能を追加し、工程の管理方法に関する情報を含むBOPをVPS上で一元的に作成可能となった。
さらに、設計の変更情報を反映する設計変更対応機能を強化し、設計構成ツリーと製造構成ツリーを並べて表示したり、設計変更前後の製品モデルの比較画面において変更された部品を色分け表示したりすることで設計情報の変更内容が把握しやすくっている。
また、「VPS GP4」では、製造ラインのレイアウト検討を行う際に、「VPS Standard」「VPS Manufacturing」の製品モデルに設定したレイアウト情報や設備名をもとに、設備を製造ライン上に自動配置する機能を搭載した。これにより、製造ラインのレイアウト作成時間が従来比20%削減され、検討の前倒しと短期化が図れるとしている。
さらに、生産性検討を行う際、工程間の中間仕掛品を含む作業手順を検討する機能を強化した。組み立て途中の製品状態である中間仕掛品を容易に生成可能となり、生産ライン改善案のVPS上での作成時間が従来比1/5に短縮されるということだ。