NECは7月17日、米国の現地法人であるNEC Corporation of Americaと、サーマルカメラメーカーである米Infrared Camerasの協力のもと、ハワイ州の主要5空港に、生体認証・映像分析技術とサーマルカメラを組み合わせた感染症対策ソリューションを提供すると発表した。
同社は2020年7月末までに、サーマルカメラにより設定以上の体表温度(38度)を検知した際に管理者へ通知するソリューションを提供し、2020年12月末までに、同ソリューションに顔認証技術および映像分析技術を活用して対象人物を特定する機能を追加する予定。
同ソリューションは、設計から導入までプライバシー保護に配慮するとともに、ハワイ州交通局と連携して、ハワイ州のプライバシー保護要件に準拠している。設定した体表温度以上を検知した人物の画像のみを保存し、空港職員が対象者に健康上の注意や検査が必要か否かを判断する目的に限り使用し、画像は30分以内に消去され、外部の機関に共有されることはないという。加えて、氏名、住所、運転免許証番号などの個人情報は取得・使用せず、個人を特定せずに対象者を特定する。
導入する空港は、ダニエル・K・イノウエ国際空港(オアフ島)、カフルイ空港(マウイ島)、リフエ空港(カウアイ島)、エリソン・オニヅカ・コナ国際空港(ハワイ島)、ヒロ国際空港(ハワイ島)。
同プロジェクトは同社がハワイ州交通局から受注し、受注金額は導入費や10年間の保守費などを合わせて約3,750万米ドルだとしている。