インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月13日、企業の情報システム部門に代わりITインフラにかかわる業務と資産調達を請け負う新たなソリューションとして「ストラテジックITアウトソーシング」の提供を開始した。

  • ストラテジックITアウトソーシングの対象範囲

    ストラテジックITアウトソーシングの対象範囲

昨今、国内企業の情報システム部門は既存システムの運用やシステム・アーキテクチャの刷新、ITコストの削減など日々のミッションを遂行する一方で、クラウド活用の推進やデジタルトランスフォーメーション(DX)施策の対応など、いわゆる戦略的なITへの取り組みが求められているという。

しかし、DXの取り組みの成功事例は一握りで、多くの企業は組織構造やレガシーシステム、情報システム部門の人材不足などが影響し、苦戦しているのが現状だという。また、同社は情報システム部門の予算や人的リソースの大半も既存システムの維持や効率化、利便性を高めるための守りのITにかけられ、企業変革や競争力強化を目的とする戦略的な攻めのITに対して大幅な投資ができないことが企業の課題となっていると指摘。

このような課題を解決するため新たなソリューションとして、同社ではITインフラの戦略立案・企画検討から調達、構築、運用まで、情報システム部門の役割を請け負う新ソリューションを開始する。

新ソリューションを導入することで、従来のITインフラ対応業務を自社から切り離し、適切なコスト状態を維持しつつ人的リソースを戦略的IT活用にシフトすることを可能としている。

  • ストラテジックITアウトソーシングの導入効果イメージ

    ストラテジックITアウトソーシングの導入効果イメージ

主な特徴としてシステムの保守運用など特定の役務を単純に代替するのではなく、システムの戦略立案・企画から調達、構築、運用まで、部門の役割ごとすべて請け負い、情報システム部門が持つ事業目標に即したKPIを設定し、達成をコミット。これにより、ITインフラに関わる業務から解放され、DX推進やITを活用した新事業創出など、本来強化すべきコア業務に注力できるという。

また、提供するITインフラおよびサービスの運営業務全般を同社が代行し、ITサービス事業者として培ってきた高度なシステム運用の知見・ノウハウにより、システム全体の安定稼働および可用性を担保することで、業務負担の軽減が図れるとしている。

さらに、ITインフラ環境の標準化、利用サービス・製品選定および調達の一元化、運用自動化により、提供範囲におけるシステム維持/運用のコストを最適化することに加え、顧客と合意した比率で継続的に年間コストを削減する。これにより、高品質なITインフラを維持しながらコストパフォーマンス向上、運用業務からの解放が可能になるという。