富士通は6月30日、NetAppと昨年12月に締結したデジタルトランスフォーメーション(DX)を支えるデータマネジメントインフラの提供に向けた戦略的パートナーシップの第1弾として、NetAppのデータマネジメントソフトウェアを活用したストレージシステム「FUJITSU Storage ETERNUS」の4シリーズを販売開始した。

今回、販売を開始した4シリーズは「ETERNUS AB」「ETERNUS HB」「ETERNUS AX」「ETERNUS HX」。ETERNUS ABとETERNUS HBシリーズは、基幹システムに活用されるデータベースや科学計算システムに活用されるHPCに適したストレージ。

SSDの性能を引き出した高速データ処理と、サーバとの大量のデータ通信を実現するほか、オンプレミスやパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド環境では、バックアップアーカイブ用のデータをパブリッククラウドに転送することで、運用、管理のコストを削減することができるという。

一方でETERNUS AX、ETERNUS HXシリーズは、仮想化システムやファイルサーバに適したストレージ。仮想化システムで求められる、ブロックアクセスによる高いレスポンス性能と、ファイルアクセスによる簡易なデータ管理を1台のストレージで可能としている。

また、容量や性能の増加の要求に応じて、システムを停止させることなく、ストレージのノードを最大24ノード、26PB(ペタバイト)まで拡張できるほか、データのアクセス頻度に応じてデータセンターやパブリッククラウドにデータを自動で振り分け、コストとのバランスをとった効率的な運用ができるという。

今後、両社の商品や技術力を組み合わせた、AI、ハイブリッドクラウド、HPC向けソリューションの共同開発を進め、2020年内を目標に順次提供していく。

一例として、AI向けに同社のサーバとNetAppのストレージを組み合わせ、AIシステムの設計や構築、膨大なデータの学習にかかる作業時間を削減するソリューションや、HPC向けに同社のスケーラブルファイルシステムやデータ処理技術とNetAppの通信技術を持つストレージを組み合わせ、複雑な条件下でシミュレーション・分析が可能なソリューションを開発していく考えだ。

加えて、データセンター内のプライベートクラウド環境とパブリッククラウド環境を一つのストレージで管理できるNetApp Cloud Data Servicesを活用したハイブリッドクラウドソリューションなどの開発も予定している。