仕事のやり方のある種の裁量が広くなるテレワークや在宅勤務。生産性については上がった人、下がった人と様々ではないだろうか?導入契機が新型コロナへの対策であったとしても、ビジネスの場である以上、生産性を高める方法は模索したいところだ。個別の従業員の意見や気づきのボトムアップが、組織全体としての働き方の改善を作り出すが、前向きな発見だけが情報ではない。

これはやめたほうがいい、これはトラップにはまる、これは危険だ。そんな気づきも貴重な情報源だ。新たな試みに失敗は付きもの、繰り返さないことが重要なのだ。財務情報サイトYahoo FinanceのJessica Yunさんが「6 bad work-from-home habits that are ruining your productivity」として生産性アップのためにすぐにやめるべき事項を紹介している。当てはまるものがあれば、要注意かもしれない。Jessica Yunさんが掲げる要注意ポイントは、言われてみると当然なのだが、改めてテレワークや在宅勤務のなかで指摘されると"ハッ"とする方も多いのではないだろうか。少なくとも筆者はいくつかが思い当たった。

1. Eating at your desk(デスクで食べる)
2. Too much screen time(スクリーンタイムが長すぎる)
3. Denying your cravings every time(制限しすぎはよくない)
4. Stressing too much(ストレス多過)
5. Napping on the clock(昼寝)
6. Getting food delivered(フードデリバリー)

筆者が気になったのは"Eating at your desk(デスクで食べる)"。職場では、缶コーヒーを大量に飲むことはあっても「食す」ことはまず無い。テレワーク実践時には、自宅という弛緩した状況下でパンやお菓子、弁当をモニタの前で食してしまうこともある。特に問題は無いのでは?と思う人もいるだろうがJessica Yunさんは、"10分でも15分でも自宅のデスクから離れて仕事の邪魔にならないようにすることが重要"という食事と健康のコンサルタントTeri Lichtenstein氏の助言を紹介している。"This will allow you to return to work with full focus and ultimately be more productive"と文中では紹介されているが、筆者なりに解釈すると思い当たる節がある。

パンやお菓子の袋をキーボードとマウスの間に無造作に放置してしまったとする。これを避けてキーボードやマウスを操作することは当然に生産性が落ち、散らかったデスク周辺を片付けるとなるとその都度、集中が切れてしまう。下手をすると片付けたあとにまた食すという最悪のサイクルに陥りかねない。

食に限った話ではないのだ。気がつかないほんの小さな障害が行く手を強烈に阻む場合がある。仕事とは関係の無い封筒や書類、例えば公共料金の請求書やチラシの類いも近くにあるとフォーカスを阻む。できるだけシンプルに、欲を言えば、ツールとなるキーボード、マウスをはじめモニタや周辺機器の設置位置、必要とする書類の置き場所が所定の位置にあるべきなのだ。

侮りがちだが、このような点を蔑ろにするとフォーカスが分散してしまう。ただでさえ仕事とプライベートの境界をつけにくい自宅では、仕事の空間で"食べる"ことは慎んだ方が良さそうだと改めて思うのであった。