OKIは6月24日、同社の水中音響センシング技術を活用し、密漁船や水中の不審なダイバーを監視し検知する「密漁監視ソリューション」を開発し、提供開始すると発表した。

近年、アワビやナマコなどは高級食材として、組織化・大規模化された密漁団などに狙われることが多く、その被害額は年々大きくなっているという。また夜間に無灯火船で移動し、潜水器を用いてダイバーが密漁を行うなど、その手口も巧妙化しているとのこと。

防止策として、監視カメラ、レーダーなどによる監視や、人手によるパトロールなどが行われてきたが、いずれも人件費や装置コストの負担が大きいことに加え、夜間に無灯火船、水中のダイバーの両方を監視し不審者を発見するのは困難だという課題があった。

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同社の水中音響センシング技術は、自ら音を発信することなく海中音を受信する水中音響センサーを使用しており、水中を伝わってくるさまざまな音の中から、船のエンジンやスクリュー音、ダイバーの呼吸音などをリアルタイムに検出することができるという。

これにより、昼夜を問わず、不審船の侵入、これまで発見が難しかった不審なダイバーの接近を、水中の音から検知して通知することが可能だ。

同社は、北海道の増毛郡増毛町、古宇郡泊村、岩内郡岩内町において、同ソリューションによる密漁監視の運用を順次開始し、3海域から得られる季節や海象、地形などが異なる環境下でのデータを蓄積して、密漁監視用データベースの充実を図り、密漁監視ソリューションの高度化を進める方針だ。