Dell Technologiesは6月24日、スケールアウト NAS「Isilon」を「PowerScale」にリブランドするとともに、「PowerScale F200」「PowerScale F600」という2つの新製品を発表、同日から国内提供を開始した。価格は個別見積もり。
なお、現状の「Isilon」は、「PowerScaleファミリー」として併売していく。
「PowerScale F200」「PowerScale F600」は、「Isilon」と同様、「OneFS」OSを基盤に設計されており、1Uの「Dell EMC PowerEdge」サーバーをベースに、ともにオールフラッシュドライブを搭載する。「Isilon」を拡張用ノードとして利用することもできる。
「PowerScale F200」は、1ノードあたり4ドライブを搭載可能で、最小構成は11TB。テレワーク、小規模なワークロード、病院、小売店、 IoT、工場現場などの用途を想定する。
一方、「PowerScale F600」は、初めてNVMe接続のSSDを搭載し、1ノードあたり8ドライブを搭載。最小構成は46TB。要求の厳しいワークロードに対応できるという。
F200およびF600に搭載するOS「PowerScale OneFS 9.0」は、これまでのNFSやSMB、HDFSなどのプロトコルに加え、新たにAWS S3プロトコルをサポート。クラウド対応のアプリ開発が可能になった。
そのほか、「PowerScale」は「Dell EMC DataIQ」と「Dell EMC CloudIQ」を無償で搭載する。
「DataIQ」は、データのタグ付け、追跡、分析、およびレポート作成を行い、ファイルおよびオブジェクトデータへの統合ビューを提供する。
「Dell EMC CloudIQ」は、インフラストラクチャー モニタリング/アナリティクス ソフトウェアで、リアルタイムのパフォーマンスと能力分析、履歴トラッキング、そしてシステムの正常性確認が可能になるという。
Dell Technologies(EMCジャパン)UDS(アンストラクチャード データ ソリューション)事業本部 SE部 部長 水戸匡茂氏は、「データの8割は非構造データで、加速度的に増加しており、データもオンプレミスだけでなく、エッジやクラウドでも生成されている。そのため、容量とともに、性能のスケールアウト性も求められる。PowerScaleは稼働したまま、性能も拡張でき、システムリソースの平準化も自動的に行われる。さらに、PowerScaleはデーブロックを分散配置し、小規模障害だけでなく筐体障害にも対応できる。またインラインデータ削減(重複排除と圧縮)に対応し、効率性も備えている。これらによって、スケールするデータへの対処、スケールするワークロードへの対処、スケールするデータへの対処という非構造データの3つの課題に対応できる」と語った。
また、Dell Technologies(EMCジャパン)執行役員 UDS(アンストラクチャード データ ソリューション)事業本部 事業本部長 倉橋秀則氏は、「Isilonの事業規模は、DellとEMCの統合後、8倍まで成長し、今後2年で1.5倍に拡大する目標を掲げている、国内でも過去2年連続で30%以上成長して過去最高を記録した。IsilonとPowerScaleは、OneFSという共通OSによって、ミックスしながらクラウドライクに柔軟に拡張できる。現行のIsilonモデルは100TBからとなっているため、100TB未満でスタートしたいというユーザーとギャップがあり、今回の製品でこのギャップを埋めることができる。日本はミッドレンジがボリュームレンジなのでPowerScaleはゲームチェンジャーとなる製品だ。今後3年で1000システムを販売していきたい」と抱負を述べた。