NECプラットフォームズは6月17日、中小河川向けにLPWA(広域無線通信技術)を活用して、河川に設置した水位センサーからリアルタイムに水位情報を収集し、クラウド上で可視化する「河川水位IoT監視パッケージ」の販売を開始すると発表した。価格はオープン価格。
近年、局地的な大雨等が頻発し、全国各地で浸水被害が問題となっている。特に市街地を流れる中小河川において、水位の上昇により水はけが悪化し、建物や土地、道路が浸水する内水氾濫のリスクが高まっているという。
同パッケージでは、水位センサー子局を通じて収集した水位情報をLPWA網を介して無線集約局(親局)へ送り、クラウド上に蓄積する。そこで解析された水位情報を住民はWEBブラウザを通じてリアルタイムに閲覧することができるという。平時は1時間、大雨時は10分おきにデータが更新され、WEB画面上のマップから観測地点を選択してデータを表示し、現在の水位や水位の変化、注意水位、危険水位といった情報をグラフ化して提供する。
また、機器監視システムで機器およびデータ通信の状態を24時間遠隔監視しており、異常や故障予兆を検出した場合はアラートがあがり、管理者は、現地機器の遠隔操作や保守交換機材の発送など迅速な対応が可能だという。
さらに、センサーは電波式(非接触式)を採用し、最大30m先の水面の測定を可能とし、実際の河川での長期検証に基づき開発した同社独自の誤データ除去フィルター機能を備え、屋外環境での日射、気圧、汚れなどに影響されない測定性能を有しているとのこと。
同パッケージは、静岡県掛川市において、実際の環境下での動作検証を重ねており、2019年10月に発生した台風第19号の記録的な大型豪雨時に際しても、河川の水位を観測し、リアルタイムに水位情報を可視化することができたといい、2020年5月より掛川市では住民に向けて河川の水位情報を公開するサービスが開始されているという。