帝国データバンクは5月25日、「人手不足に対する企業の動向調査(2020年4月)」の結果を公開した。同調査の対象は全国2万3,672社で、有効回答企業数は1万1,961社(回答率 50.5%)。

調査の結果、正社員が不足している企業は31.0%(前年同月比19.3ポイント減)と、4 月としては4年ぶりに4割を下回り、人手不足の割合は大幅に減少していることがわかった。また、人手が「過剰」とした企業は 21.9%で、同 13.5ポイント増加となった。

業種別では、「農・林・水産」「建設」(ともに48.2%)が最も高く、「メンテナンス・警備・検査」「電気通信」「情報サービス」が続いた。人手不足の割合が大きく減少した業種が多いなか、「電気通信」のみが在宅勤務の需要が増したことで大幅に増加したという。

  • 従業員の過不足感 資料:帝国データバンク

  • 従業員が不足している業種 資料:帝国データバンク

さまざまな業種で人手不足の割合が減少する一方、人手が「過剰」と感じている割合が急増している業種もある。特に、「旅館・ホテル」はインバウンド需要に支えられて人手不足状態が続いていたが、新型コロナウイルスの影響で訪日外国人の減少や外出自粛が続き、人手が過剰とする割合は正社員、非正社員ともに全業種で最も高くなったという。「飲食店」や「娯楽サービス」においても同様の傾向が見られるとのこと。

  • 従業員が「過剰」としている業種 資料:帝国データバンク