Dell Technologies(デルとEMCジャパン)は、データ中心型のミッドレンジストレージ「PowerStore」を発表した。本日より提供する。価格は880 万円~(税別、最小構成、12カ月オンサイト保守サービス込み、ProDeploy for Enterprise プロモーション適用時)。

  • 「PowerStore」

「PowerStore」は、DellとEMCが統合して初めてゼロから開発したストレージだという。

データ中心型の新たなストレージ製品が必要な背景について、Dell Technologies(EMCジャパン) MDC事業本部 事業本部長 遠井雅和氏は、「現在はデータ中心の時代となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。これまでなかったデータも存在し、また、データはデータセンターだけにあるわけではなく、あらゆるところに存在する。さらに、運用は俊敏性と経済性が求められている。これまでは、集中型のストレージアレイによって顧客ニーズに応えていたが、データ多様性に単一のインフラでは対応できなくなっている。データセンター、エッジ、パブリッククラウドで一貫性のあるデータ管理が必要だ。そこで、PowerStoreでは、新たなアーキテクチャを導入し、DXを支援していく」と説明した。なお、発表会はWeb会議にて行われた。

  • EMCジャパン MDC事業本部 事業本部長 遠井雅和氏

「PowerStore」では、データ中心のあらゆるワークロードに対応するため、FC、iSCSI、NVMe-of(将来対応)、NFS、SMBのインタフェースに対応するほか、コンテナストレージインタフェースを提供し、コンテナにも対応する。

  • さまざなインタフェースに対応

パフォーマンスでは、コントローラを2台搭載しそれらをActive-Activeで稼働させたことや、NVMe設計とデュアルポートのIntel Optane SSDによるキャッシュではなく永続ストレージとしてのSCM(ストレージ クラスメモリー)をサポートすることで、これまでの Dell EMC ミッドレンジ ストレージ アレイよりも7倍のスピードと1/3のレスポンスタイムを実現(PowerStore 9000 x4 クラスターとUnity XT 880の比較分析)するという。

  • これまでの Dell EMC ミッドレンジ ストレージ アレイよりも7倍のスピードと1/3のレスポンスタイムを実現

ラインナップは、PowerStore 1000/3000/5000/7000/9000の5つがあり、物理容量11.52TB~3.59PB(物理)に対応。常時稼働の重複排除、圧縮などを行った場合の実効容量は28.57TB~11.36PBだという。なお、重複排除と圧縮で4:1(従来は3:1)のデータ削減を保証し、最大は20:1だという。重複排除、圧縮は、専用プロセッサにより行うため、I/Oには影響しないという。

  • ラインナップは、PowerStore 1000/3000/5000/7000/9000の5つ

  • 拡張はシンメトリーではなく、個別に拡張可能だという

可用性の向上では、比較的近いデータセンター間のメトロ レプリケーションをオプションで提供し、即時フェールオーバーが実現できるという。

  • メトロ レプリケーションでデータセンター間の即時フェールオーバーが実現できるという

  • EMCジャパン MDC事業本部 SE本部長 森山 輝彦氏

インテリジェント機能では機械学習エンジンを搭載し、新たなアプライナスを拡張すると自動で認識し、I/Oバランスを考慮し、新たな領域をどのアプライアンスに配置するかやボリュームバランンシングをレコメンドするという。

新たなOSである「PowerStoreOS」はコンテナベースのアーキテクチャを採用し、機能はモジュラー化されており、アップデートの際もストレージ自体のリブートではなく、コンテナだけでの変更で修正を反映できるケースが多くなるという。

  • コンテナベースの「PowerStoreOS」

PowerStoreの利用方法としては、外部ホスト用の従来型ストレージとして使い方ができるTモデルと、オンボードのVMwareハイパーバイザーを使い、VMwareでPowerStoreを1つのVM動作させるX モデルがある。X モデルでは、アプライアンス上でアプリケーションを直接実行させることが可能(「AppsOn」機能)だという。また、既存システムを含め、VMwareで一括管理できる点もメリットだという。

  • ハイパーバイザー デプロイメント

  • 「AppsOn」機能

そのほか、EMCジャパン MDC事業本部 SE本部長 森山輝彦氏が一番ユーザーに喜ばれるかもしれないと話したのが、「Dell EMC Future-Proof Program」に「Anytime Upgrade」を追加した点で、これにより、180日経過後であればいつでも上位モデルや新世代モデルに移行できるという。

  • 「Anytime Upgrade」

森山氏は、「デルがEMCが統合し、初めてゼロから開発した肝いりの製品だ。大容量メモリを搭載しているのが特徴だ。米国ではゴールデンウィーク中に発表されたがすでに数千の引き合いがある」と、期待の製品であることを強調した。

  • EMCジャパンMDC事業本部 SE本部長 森山 輝彦氏

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