NECは5月14日、顔認証技術と虹彩認証技術を組み込んだマルチモーダル生体認証端末を開発したことを発表した。

  • 顔と虹彩による認証シーン

    顔と虹彩による認証シーン

今回NECが開発したマルチモーダル生体認証端末は、米国国立標準技術研究所が実施した認証技術のベンチマークテストで世界1位となった顔認証技術と、高度な個人識別が可能な虹彩認証技術を統合することで、身体的特徴の多様性への対応が必要な大規模システムや厳格な本人確認が必要な利用環境において、安定した高い精度で高速な認証を行えるという。

この認証端末では、利用者の身長に合わせて内蔵カメラが傾きを自動調整し、顔や目の位置を捉えて顔と虹彩の検出を同時に行い、照合したスコア結果から本人確認を行う。顔情報から虹彩の位置を素早く正確に特定してピントや照明を瞬時に自動調整する技術により、個々に身長が違っても約2秒間での高速な認証が可能だという。

  • 認証フローのイメージ図

    認証フローのイメージ図

顔と虹彩情報を活用したマルチモーダル生体認証技術の応用により、手袋やマスクの着用時、あるいは両手が荷物で塞がっているような場合でも、非接触での個人認証が可能だということだ。

これにより、国や社会などでの大規模人数を対象としたシステムでの活用や高いセキュリティを求めるオフィスへの入退室、また衛生面に配慮した服装やマスク着用が必要な食品工場、工場内のクリーンルーム、医療現場での入退室、さらにはATMでの本人確認や店舗での迅速な決済など、さまざまな用途での拡がりが期待されるとしている。