NTTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、国内における「フルMVNO基盤」の運用を開始し、同基盤を活用したeSIM(embedded Subscriber Identity Module:SIMの情報(通信プロファイル)を書き換えることが可能な組み込み型の次世代SIM)によるモバイル通信プランを、4月1日より提供開始すると発表した。

フルMVNOとは、一般に「加入者管理機能(HLR/HSS)」を自ら保有し管理することで、より自由度の高いサービス提供を行うことができるMVNOのこと。フルMVNOは、自らSIMカードを発行できるようになるなど、柔軟なサービスの設計や提供が可能だという。

これにより、SIMの休止・再開の管理や形状の選択、機能拡張などが可能なサービスをご利用できるようになるという。

同社は、2019年4月より、海外利用を中心としたフルMVNOサービス「IoT Connect Mobile」を提供しており、今回、日本国内におけるIoT向け通信ニーズの高まりを受け、提供中のモバイル通信サービスを対象に、フルMVNOによるプランを追加し、IoTを中心とした顧客ニーズに応えるとしている。

フルMVNO基盤では、「SIMライフサイクル管理」によって、利用の休止や再開のタイミングを、遠隔からコントロールすることが可能で、これにより、SIMを組み込んだ機器を取り扱う製造業やレンタル・リース業のユーザーは、出荷待ちや貸し出し待ちなどの期間だけ利用を休止することができる。

これらの設定・変更機能はAPIでも提供するため、る他のシステムとの連携も可能。

SIMのタイプは、利用する機器からの取り外しが可能な「Plug-inタイプ」のほか、機器組み込み用の「Chipタイプ」の2種類から選択可能。両タイプともに、標準の「ノーマルグレード」に加え、温度耐性や書き込み耐性を強化した「インダストリアルグレード」を選ぶこともできる。

そのほか、eSIMの場合、 SIM上のセキュアな領域にJavaアプレットを実装して、機能拡張が可能となり、例えばセキュリティを重視する場合には、アプレット領域に暗号鍵を格納することで通信のセキュリティを高めたり、IoT機器の改ざん検知機能を付加したりすることなどが可能だという。

同社では、Arcstar Universal One モバイル、OCN モバイル ONE for Business、モバイルアクセス卸サービス、IoT Connect Mobileのモバイル通信サービスにおいて、フルMVNOに対応した機能を追加する。