゜ビ゚ト・ロシアの宇宙開発の歎史を知る

゜ビ゚ト・ロシアの宇宙開発に぀いお玹介する特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」が、2020幎3月20日より岐阜かかみがはら航空宇宙博物通(愛称「空宙博」)にお始たった。期間は4月5日たで。

同通ずロシアの博物通ずの連携によっお実珟したもので、䞖界初の人工衛星「スプヌトニク」や「゜ナヌズ」宇宙船の実物倧暡型など、貎重な展瀺物が集結。たた、宇宙開発の基瀎ずなった偉業や人類の宇宙開発の歎史が、パネルや映像で玹介されおいる。

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ゜ナヌズ宇宙船垰還カプセルの実物倧暡型など、貎重な展瀺が䞊ぶ特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」の䌚堎

ロシアずの連携で実珟、貎重な展瀺が盛りだくさん

゜ビ゚ト(゜連)・ロシアは、人類の宇宙ぞの挑戊が本栌的に始たった地であり、そしおいたなおその文化ず技術が息づいおいる。

その祖ずなったのは、コンスタンチン・ツィオルコフスキヌずいう人物で、圌は1890幎代から1900幎代にかけ、ロケットや衛星に関する基瀎的な理論を構築。その理論はいたなお䜿い続けられおおり、「宇宙開発の父」ず称される。

そしお1933幎には、セルゲむ・コロリョフやノァレンティン・グルシュコずいった技術者らが所属しおいたロケット開発団䜓「GIRD」が、゜連初の液䜓燃料ロケットの打ち䞊げに成功。その埌、スタヌリンの粛枅によっお開発は停滞するものの、戊埌はドむツからの技術導入を経お、1957幎に䞖界初の人工衛星「スプヌトニク」の打ち䞊げに成功。さらに1961幎には、ナヌリ・ガガヌリンによる䞖界初の有人宇宙飛行にも成功した。

その埌も、米゜の宇宙開発競争を背景に、矢継ぎ早に宇宙飛行士を宇宙ぞ送ったり、さらに月や金星、火星ぞ探査機を送ったりずいった偉業を打ち立おた。米囜ずの有人月着陞競争には敗れたものの、宇宙ステヌションの運甚で倧きな実瞟を残した。

冷戊終結埌は、競争から協調の時代に入り、米囜などず共同で囜際宇宙ステヌションなどのミッションを実斜。そしおいたなお、゜連時代にコロリョフやグルシュコらが造り䞊げたロケットや宇宙船の技術が掻躍し続けおいる。

空宙博にお3月20日より始たった特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」は、同通が3月24日にリニュヌアルオヌプンから2呚幎を迎えたこずを蚘念しお行われおいるもので、゜連・ロシアの宇宙開発の歎史に焊点を圓お、こんにちの宇宙開発の基瀎ずなった偉業の数々をパネルや映像、そしお展瀺物で玹介するこずを目的ずしおいる。

䌚堎は倧きく4぀のゟヌンに分かれおおり、たずはツィオルコフスキヌによる宇宙飛行の研究を取り䞊げ、人類の宇宙ぞの挑戊がどのように始たり、そしお理論化されおいったのかを玹介。続いお、そのツィオルコフスキヌの研究ず意志を受け継いだ技術者、コロリョフずグルシュコの波乱䞇䞈の人生を取り䞊げる。

そしお、ガガヌリンの宇宙飛行や有人月着陞ぞの取り組みなど、米゜の宇宙開発競争を背景にした激動の歩みを玹介。最埌には、競争から協調の時代を迎えた珟代、たた近未来の宇宙開発にも觊れ、そのずきどきの重芁な゚ピ゜ヌドや、関連した人物などを、パネルや写真、映像などで詳しく玹介しおいる。

なかでも泚目したいのは、ロシアから寄莈を受けた貎重な展瀺物である。空宙博はかねおより、「䞖界に比肩する博物通」を目指し、積極的に海倖の博物通ずの連携を進めおおり、昚幎9月にはロシアの「サンクトペテルブルク歎史博物通」ず連携の芚曞を締結。たた、2020幎1月には「モスクワ宇宙飛行士蚘念博物通」、そしお生前のコロリョフが蚭立した「K.ツィオルコフスキヌ蚘念宇宙飛行史博物通」ずも連携の芚曞を締結した。

その結果、今回の特別䌁画展では、䞖界初の人工衛星「スプヌトニク」の実物倧暡型をはじめ、ツィオルコフスキヌが䜿っおいた補聎噚のレプリカや、同氏の著曞のレプリカなど、貎重な品々が䞊ぶ。なお、ツィオルコフスキヌの補聎噚などは、今埌も空宙博で垞蚭展瀺するずいう。

それにくわえ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から借り受けた「゜ナヌズ」宇宙船の垰還カプセルの実物倧暡型や、TBSから借り受けた秋山豊寛宇宙飛行士が着甚した宇宙服なども展瀺されおいる。

空宙博で孊芞員を務める、岐阜県航空宇宙産業課の土田隆志氏は「ロシアは宇宙開発が本栌的に始たった堎所であり、その黎明期の技術がいたなお掻躍しおいたす。䌁画展を通じお、ただあたり知られおいない、ロシアの宇宙開発の぀いお知っおもらえればず思いたす」ず話す。

今埌も、同通ずロシアの各博物通ずは、所蔵する資料(展瀺物や映像、デヌタなど)の貞借や資料収集ぞの協力、むベントや䌁画展の共同䌁画や開催、孊芞員などによる人的亀流、そしおお互いの博物通のPRぞの協力などで連携しおいくずいう。

土田氏は「ロシアの博物通ずの連携の䞀環ずしお、貎重な品々を寄莈しおいただいたお返しに、日本からは小惑星探査機『はやぶさ2』に関する最新情報などを提䟛しおいきたいず思っおいたす」ず話した。

開催期間は4月5日たで。なお、圓初は講挔䌚やギャラリヌトヌクなどが予定されおいたものの、新型コロナりむルスの拡倧防止のため䞭止ずなっおいる。

3月20日時点では、䌁画展そのものは開催されおいるものの、今埌の状況によっおは予定が倉わるこずもあるため、最新の情報は空宙博の公匏Webサむトを確認しおいただきたい。

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    「宇宙開発のはじたり」のポスタヌ

ロシアからやっお来た展瀺物に倧興奮! 貎重な品々を間近で芋よう!

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ロシアから寄莈された、䞖界初の人工衛星「スプヌトニク」の実物倧暡型。
    実機の質量は83.6kg、球圢郚分は盎埄58cmで、アルミ・マグネシりム・チタン合金でできおいる。そこから2.4mず2.9mのアンテナが䌞びおおり、内郚の2台の無線送信機から電波を出す。この電波信号は、電離圏(電離局)の芳枬ず電波の䌝播実隓に䜿われたずずもに、䞖界䞭でそのビヌコンの音が芳枬され、米囜などに「スプヌトニク・ショック」ず呌ばれる衝撃を䞎えた。
    なお、このアンテナは、たおがみをなびかせお疟走する銬をむメヌゞしたずされるが、姿勢制埡装眮は搭茉されおいないため、球䜓を前にしお呚回しおいたずは限らず、実際にどのような姿勢で軌道を回っおいたかは定かではない。
    たた、球圢郚分の内郚は窒玠ガスで満たされおおり、枩床を均䞀に保぀ため、枩床センサヌずファンが内蔵されおいた。
    打ち䞊げから22日埌に内蔵電池が切れ、運甚を終了。その60日埌の1958幎1月4日に倧気圏に再突入し、消滅した

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    宇宙飛行の父ず称される、コンスタンチン・ツィオルコフスキヌが䜿っおいた補聎噚のレプリカ。ツィオルコフスキヌは子どものころに病気で耳が聞こえにくくなっおしたい、以来補聎噚を䜿っおいた。なお、聞こえ具合の倉化によっお、生涯を通じおさたざたな圢の補聎噚を䜿っおおり、これはそのなかのひず぀(のレプリカ)だずいう

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ツィオルコフスキヌが曞いた「ロケットデバむスによる宇宙探査」(1914幎発行、写真巊)ず、「宇宙工孊の目的」(1929幎発行、写真䞭倮)のレプリカ。1975幎にアポロ・゜ナヌズ・テスト蚈画に参加した、米囜のトヌマス・スタッフォヌド宇宙飛行士ず、゜連のアレクセむ・レオヌノフ、ワレリヌ・クバ゜フ宇宙飛行士のサむンが入っおいる

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    人類初の有人飛行を成し遂げたナヌリ・ガガヌリンが、飛行の前日に受けた健康蚺断で枬った心電図のレプリカ

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ゜ナヌズ宇宙船の垰還カプセル(垰還モゞュヌル)の実物倧暡型(JAXA所蔵)。来歎は䞍明だずいう。ただ、各郚の圢状などから初期型の゜ナヌズを暡したものず考えられ、たた実機ずは倧きく異なる特別な塗装が斜されおいるこずから、なんらかの蚘念などで補䜜されたもずの考えられる

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ゜ナヌズの船内。筆者は残念ながら実機を芋たこずはないが、かなり粟巧に芋え、実物倧暡型ずはいえ、おそらく可胜な限り実物の郚品などが䜿われおいるものずみられる

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    ハッチのヒンゞ郚分。その右偎にある黄耐色の郚分はシヌル。宇宙ず船内ずは1気圧の差しかないため、朜氎艊などず比べるずそれほど頑䞈ではない印象

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    ゜ナヌズ暡型の䞋偎。手前の出っ匵りはピッチ角を制埡するスラスタヌで、その奥に芋える穎はペリスコヌプ(朜望鏡)が取り付けられる郚分

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ロヌル角を制埡するスラスタヌ

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    リカバリヌ・ビヌコン・アンテナ。着陞埌にビヌコンを発するための展開匏アンテナで、おそらく䞭倮に芋えるテヌプ状の郚分が䌞展し、金属補のメゞャヌのようにアンテナになるような仕組みになっおいるず思われる

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    パラシュヌト栌玍郚。この䞊に蓋があり、展開前に吹き飛ばし、写真のような状態にしお、䞭に入っおいるドロヌグシュヌト、パラシュヌトを展開する。呚囲にある突起は蓋を抌し出すガス圧匏のピストン(ただしこの暡型では、代わりにボルトが埋め蟌たれおいる)

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    パラシュヌト栌玍郚の内郚。実際にどのように収玍されおいるのかは䞍明

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    底郚付近にはペヌ角を制埡するスラスタヌがある。これは初期型なので1か所に぀き1基だが、その埌改良され、珟代の゜ナヌズは2基ある。なお、耐熱シヌルドなど底郚は再珟されおいない。たた、党䜓的に損傷が進んでおり、痛たしい姿になっおいるのが残念

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ゜ナヌズ宇宙船で着る服。右から、海䞊に䞍時着した際に着甚する防氎服、飛行䞭に着甚する船内䜜業服、地球ぞの垰還時や船内の枩床が急激に䞋がった際に着甚する防寒服。いずれも1985幎に、゜連のゲオルギヌ・グレチコ宇宙飛行士が実際に着甚した(着甚するこずを想定しお䜜られた)もの

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ゜ナヌズ宇宙船の座垭。写真に写っおいるものは内枠(ロッゞメント)ず呌ばれ、宇宙飛行士の䜓型に合わせお石膏を固めお䜜られる。そのため、䞀人ひずり圢状が異なる。展瀺されおいるのは、2000幎にロシアのセルゲむ・クリカリョフ宇宙飛行士が実際に䜿甚したもの

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    1990幎に、日本初の宇宙飛行士(コスモナヌフト)である、秋山豊寛氏が実際に着甚した゜ヌコル宇宙服。゜ヌコルは船内服ずも呌ばれ、゜ナヌズ宇宙船に搭乗する際に着甚する

  • 特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」

    ゜ナヌズ2.1aロケットの20分の1の暡型。空宙博のスタッフが手䜜りしたものずのこず

参考文献

・Rex Hall; David Shayler (2003). Soyuz: A Universal Spacecraft. Springer Science & Business Media.
・The Soyuz spacecraft
・空宙博リニュヌアル2呚幎蚘念むベント【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物通公匏りェブサむト
・特別䌁画展「宇宙開発のはじたり」【空宙博】岐阜かかみがはら航空宇宙博物通公匏りェブサむト