クボタと米マイクロソフトは3月17日、クボタのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて、複数年にわたる戦略的提携を発表した。今回の提携によりクボタのITインフラやSAPなどの基幹システムを「Microsoft Azure」を基盤とするクラウドに移行する。

クボタはAzureを標準基盤にすることで業務を合理化し、ソリューション提供型のビジネスへの移行を目指すとともに、両社はAIをベースとした新たなソリューションの開発を行うことで、食料・水・環境の事業分野に展開していく。

クボタは世界各地のニーズに応じた農業機械を通じ、増大し続ける食料需要に応える一方で、水環境分野では水道管から水処理施設に至る製品群でトータルソリューションを提案しており、この取り組みを加速するためにマイクロソフトは技術を提供し、両社はそれぞれの専門性を発揮して協力することで、持続可能な社会の実現に貢献するという。

今回の提携を通して、クボタはITインフラやSAPなどの基幹システムをAzureに移行。クラウドによる業務の最新化はAIをはじめとした先端技術の利用を容易にし、データ活用の規模拡大や柔軟性をもたらすほか、クラウド上に重要な基幹システムを統合することで、クボタは業務合理化が可能となり、グローバルで統合されたデータ活用ができる。

また、クボタはイノベーションの創出を目的にマイクロソフトと協力して新たに「AI Machine Learning Lab プロジェクト」を立ち上げる。同プロジェクトでクボタは、AIソリューションを開発する新たな技術者の育成や社内の業務革新、食料・水・環境分野における新サービスの構築を目指す。マイクロソフトは、Azure Machine Learningで提供する広範な知識と先端技術を活用して、クボタのAIへの取り組みを支援する。

さらに両社は将来に向けて、持続可能な未来の実現を目指すために互いの取り組みに基づき、テクノロジーを活用したプロジェクトを積極的に模索していく方針だ。