Microsoftは3月12日(米国時間)、「WSL2: Code faster on the Windows Subsystem for Linux!|Tabs vs Spaces|Channel 9」において、2020年5月または6月に公開が予定されている次期Windows 10フィーチャーアップデート版で導入が予定されているWSL 2 (Windows Subsystem for Linux version 2)について伝えた。WSL2はWindowsでLinuxバイナリを実行するための技術。
開発者はWSL 2の主な変更点として、以下を挙げている。
- Linuxカーネルシステムコール100%互換を実現
- ファイルシステムI/Oパフォーマンスの大幅な向上(動作にもよるが3〜5、6倍の高速性を実現、場合によっては20倍高速になることもある)
- Dockerの動作に対応(WSL 2でDockerを実行し、そこでWebアプリケーションを実行しWindowsで動作するWebブラウザからアクセスして利用するといったことができる。Docker Desktopとの連動に対応)
- Visual Studio Codeからのリモート開発機能に対応
- WSL 1とWSL 2の切り替え方法の説明
WSL 1はレイヤ技術でシステムコール変換を行う方式を採用、WSL 2は仮想マシン技術を使う方法を採用した。MicrosoftはWS L2で100%のLinuxカーネルシステムコール互換性を実現したことで、Dockerといった需要の高い機能をWSL 2で実行できるようになった。MicrosoftはWSL2を使用することでWindows 10やWindows ServerをLinuxやDockerを実行するためのプラットフォームとして位置づけることになるものと見られる。
また、WSL 1ではファイルシステムI/Oの低さを解決することができなかったが、MicrosoftはWSL 2でこの問題を大幅に解消できたことになる。Microsoftは、今後もWindowsをLinuxの運用またはサーバアプリケーション開発のプラットフォームとして強化していくと見られる。