NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とレノボ・ジャパンは、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」に向け、レノボのPCとNTT Comのクラウドサービスをセットにした「GIGAスクールパック」を発表した。
「GIGAスクール構想」は、「1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するとともに、並行してクラウド活用推進、ICT機器の整備調達体制の構築、利活用優良事例の普及、利活用のPDCAサイクル徹底等を進めることで、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させる」というもの。文部科学省では、令和5年度までに、1人1台のコンピュータ環境を小中全学年で達成するとしている。
「GIGAスクールパック」は、Lenovo ideapad D330 (Windows 10)かLenovo 300e Chromebook 2nd GenのいずれかのPCと、NTT Comの教育クラウドプラットフォームサービス「まなびポケット」、端末の設定やセキュリティ管理などを一括で行う端末管理ツールをセットで提供するもの。
「まなびポケット」では、基本機能(シングルサインオン、学習履歴管理等)に加え、授業支援システム、学習コンテンツ、授業記録システムを提供する。
価格は44,990円(税込)で、国の補助金45,000円を利用すれば、無償で導入できる。ただし、「まなびポケット」の授業支援システムは3年間のみの利用料が含まれるため、4年目以降は別料金が発生する。他のクラウドサービスは無償で利用できる。
PCの保証期間は1年だが、有償オプションで最大5年までの延長保証、初期導入・設定、コールセンターサービス、バッテリー交換なども提供する。
クラウドサービスとしては、無償でMicsoft 365 EducationやAdobe Spark、G Suite for Education、昨日レノボと東京書籍が共同開発したことが発表されたプログラミング教材みんなでプログラミング(2020年8月より順次提供)も利用できるようになっている。
なお、このパッケージは、各都道府県の教育委員会が共同調達することを想定しており、個人で購入することはできない。
記者発表でNTT Comは、レノボ以外のPCベンダーと組むことも否定しなかったが、今回、レノボと共同ソリューションを提供する理由を、NTTコミュニケーションズ 代表取締役常務 菅原英宗氏は、「環境を提供するだけでなく、利活用が大切という点で向いている方向が同じだった」と説明。
NTTコミュニケーションズ スマートエデュケーション推進室 稲田 友氏も、イノベータやアーリーアダプタといった新しいもの好きだけでなく、クラウドサービスを提供することで、実用重視のアーリーマジョリティである先生をサポートしていくことが必要だと語った。
「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」は、レノボが今回新たに販売を開始するモデルで、Chrome OSを採用。主な仕様は、プロセッサーがAMD A4-9120C APU、メモリが4GB、ストレージが32GB eMMC、ディスプレイが11.6型 HD IPS液晶(1,366×768ドット)。
こちらのPCは一般販売も行われ、価格は48,000円(税別)。「GIGAスクールパック」がこれよりも安く提供できるのは、大量導入を想定しているためだという。
レノボ・ジャパン 執行役員副社長 安田 稔氏は「1人1台時代に向け端末を低価格で提供」、「クラウド活用し教職員の負担を軽減」「教育コンテンツを含めて提案」の3つを実現し、GIGAスクール構想を加速させていきたいとした。