オリンパスは3月2日、大腸内視鏡画像をディープラーニングによる人工知能(AI)で解析し、内視鏡検査中に病変が映っているかを推測することで医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-EYE(エンドブレインアイ)」を5月下旬から国内で発売すると発表した。同製品は内視鏡における病変検出用AIとして国内で初めて薬機法承認を得た製品となる。
同ソフトウェアは、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学大学院、サイバネットシステムにより、AMED(日本医療研究開発機構)支援のもと研究開発され、臨床性能試験を経てサイバネットシステムが1月24日に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得し、オリンパスは同社から国内における独占販売権を取得。オリンパス製の大腸内視鏡画像をAIが解析し、検査中にリアルタイムでポリープなどの大腸病変などを高精度に検出することで医師をサポートする。
同社は昨年3月にEndoBRAINを発売し、これは検査中に同社製の超拡大内視鏡を用いて撮影した大腸病変をAIがリアルタイムで解析し、腫瘍性ポリープ・非腫瘍性ポリープの可能性を数値で示すことで、医師によるポリープの判別を補助する疾患鑑別用の内視鏡画像診断支援ソフトウェア。
今回発売するEndoBRAIN-EYEは、検査中の大腸病変の見落とし防止をサポートするため開発された病変検出用内視鏡画像診断支援ソフトウェアとなり、大腸内視鏡画像をAIが解析し、病変候補を検出すると警告を発することで、医師による病変の発見を補助する。
EndoBRAIN-EYEとEndoBRAINにより、大腸内視鏡検査における病変の検出から鑑別までの一連の工程をAIが支援し、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減を目指す。
主な特徴として、大腸内視鏡検査中の画像をAIが解析し、ポリープ・がんなどの病変候補を検出するとリアルタイムで音と画面上の色で警告。設計上、あえて発見した病変候補の画面上の位置まで特定することはせず、音と画面上の色によって医師に警告を発するにとどめており、病変の発見を支援しつつ、最終的な診断を医師の診断に任せることで、医師の診断に寄り添った設計になってる。
動画から抽出した約395万枚の内視鏡画像をAIの一種であるディープラーニングに基づき学習を行い、臨床性能試験では感度95%、特異度89%の病変検出精度を達成したという。
また、同社製の汎用大腸内視鏡(EVIS LUCERA ELITE シリーズ/ハイビジョン画質以上)と組み合わせて使用することが可能です。既に大腸内視鏡検査を行われている施設は、本製品を導入いただくだけで、容易にAIの支援を得ることが可能としている。