日本マイクロソフトは2月4日、文部科学省が2019年12月に発表した「GIGAスクール構想」に対応する新しい教育機関向けソリューションとして、「GIGAスクールパッケージ」をパートナー企業と連携して提供開始した。

  • 参加各社の集合写真

新パッケージは、GIGAスクール対応PC、GIGAスクール構想に対応した教育プラットフォーム、MDM(Mobile Device Management)による大規模な端末展開とアカウント管理手法の提供、教員研修の無償提供、「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に対応可能なクラウド環境の5点で構成する。

GIGAスクール対応PCについては、GIGAスクール構想の「学習者用端末の標準仕様」に適合し今回の特別な低価格ライセンスを使用したデバイスパートナーのWindows 10デバイスを同社が展開する。

GIGAスクール対応PCは、デバイスパートナーであるDynabook、デル、日本エイサー、日本HP、日本電気(NEC)、富士通、マウスコンピューター、レノボジャパンの8社17機種(2020年2月4日の時点)で構成。

  • GIGAスクール対応PCのデバイスパートナー

GIGAスクール構想に対応した教育プラットフォームに関しては、同社はセキュリティとプライバシーを担保した教育プラットフォームとしてWindowsとOffice 365を提供しているが、新たにGIGA スクール構想に対応した特別な低価格で日本の初等中等教育機関様に戦略的に提供する。

協働学習をサポートするOffice 365には、共同編集機能やコミュニケーションスキルの向上に役立つコラボレーションハブなど、グループワークや協働する力を育むのに役立つ機能を搭載しているという。

これらのアプリケーションを通して蓄積した学習データを連携・分析することで個別最適化した学習を行うことができ、Windowsのペン入力や学習用フォントと組み合わせることで学習効果はさらに向上し、GIGAスクール構想が目指すSociety 5.0に向けた人材育成を実現するとしている。

MDMに関して、GIGAスクール構想では、1人1台の端末と1人1IDのユーザーアカウントを管理するための管理設定ツールであるMDM(Mobile Device Management)を求めている。

  • MDMによる端末展開とアカウント管理手法の提供

同社は、これまで学校のPC教室などで行ってきたオンプレミス型の環境構築とは異なる、Microsoft Intuneを利用した新しい導入・運用方法を提供するという。

導入・運用方法では、従来と比較して約1/3のコスト削減ができ、端末と環境の構築やその後の運用管理の遠隔サポートも可能になるとのこと。

また、GIGAスクール構想の「個別最適化された学び」に必要となる900万人分のアカウントを2020年度中に容易に取得・設定できるとしている。

さらに、端末 Windows アップデートの更新作業は、GIGAスクール構想で認める充電保管庫内にPCを接続しておくと夜間にスリープ状態から自動的に起動して容易に行えるようになるという。

教員研修の無償提供については、GIGAスクール構想の補助金では端末コストにも校内LAN 工事費用にも研修費用を計上できない。このため同社は、教職員を対象とした無償の研修を提供する。具体的には、都道府県・政令市 教育センター向け研修プログラム及びオンライン研修コースの2種類。

クラウド環境に関して、同社は文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に基づき、安心・安全なクラウド環境を提案・展開するとしている。

同ガイドラインの「守秘義務、目的外利用及び第三者への提供の禁止」に関してはISO27018やISO27701などの個人情報の規定に関する認証を取得しているといい、「準拠する法令、情報セキュリティポリシー等の確認」に関しては、利用契約の準拠法は日本、管轄裁判所は東京地方裁判所で、円建での決済が可能となっているなど、同ガイドラインに対応したクラウド環境を提供しているという。