米国のオンラインバックアップサービス企業であるBackblazeは12月10日(米国時間)、「A Look at How Backblaze Buys Petabytes of Hard Drive Storage」において、同社がどのような方針と方法により大量のハードディスクを調達しているのかを伝えた。Backblazeは利用しているハードディスクの数や種類、その故障率などを四半期ごとに公開している。同社が公開したハードディスクの購入方法は、ハードディスクを購入する際の1つの指針として参考になる。
Backblazeのハードディスクの購入に関する主なポイントをまとめると次のとおり。
- コスト目標に合ったハードディスクを選択する。通常、これらはクラウド市場向けに大量生産されている大容量ドライブとなる。さらに数カ月の稼働試験を実施し、購入するかどうか決定する。以前は1カ月ほどの試験で認定していたが、規模が大きくなりハードディスクの問題が大きな影響を出すようになってきているため、慎重に選択している
- 四半期ごとにテラバイト当たりのコストを5〜10%削減することを目指して評価を行っている。コスト削減はメーカーとの価格交渉、ドライブ密度の高いハードディスクへの以降、ポッドシャーシのスロット密度増加、などの方法で達成している
- 2.5インチのハードディスクは3.5インチのハードディスクよりも費用対効果が高くないため、2.5インチを使う理由はない
- SSDの価格はサービスを提供する上で現実的な価格ではないため、データ用のディスクとしては購入していない
- ヘリウムエンクロージャは低消費電力として利点があるが、脆弱性にもつながる。しかし一部とはいえ、購入した8TB超えのハードディスクはすべてヘリウムエンクロージャとなっている
- SMRは全体として費用対効果が高くない
- 過去にはコンシューマーモデルとエンタープライズモデルの双方を購入していた。これは費用対効果でもっとも優れた結果を求めたためで、多くの場合はコンシューマーモデルが優れていた。しかし、現在では購入台数が多いため、コンシューマーモデルは選択肢から外れている。エンタープライズモデルでなければ大容量ドライブを大量に得ることはできない。しかも、ハードディスクメーカと直接交渉することで優れた価格を実現できており、コンシューマーチャンネルで購入するよりも廉価になっている。しかも、エンタープライズモデルを購入することで5年間保証が得られる点も大きい
Backblazeは四半期ごとにメーカーおよびモデル別のハードディスク故障率を公開している。Backblazeはこうしたデータを公開しているの唯一のオンラインバックアップサービス企業だが、こうしたデータを公開することで、必要となる総容量やディスク数、クオリティなどを明確に示すことができ、ハードディスクメーカと優れた関係を結ぶことができたと説明している。