富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司は11月25日、大量の学習データを準備しなくても、映像から人のさまざまな行動を認識するAI技術「行動分析技術 Actlyzer」を開発したと発表した。

従来、AIで人の行動を認識するには、認識対象となる行動ごとに大量の学習用の映像データが必要となるほか、新たな行動を追加するには一から映像データを収集する必要があり、現場導入までに数カ月を要するという課題があったという。

今回、人の行動は基本的な動作の組み合わせなどから構成されているという特徴を生かし、約100種の基本動作をあらかじめ学習して認識できるようにしておき、それを組み合わせることで、不審行動や購買行動といった人の複雑な行動を認識することを可能にした。

  • 不審行動とみなす基本動作の組み合わせの例

同技術により、認識したい行動を基本動作の組み合わせで指定できるため、人のさまざまな行動をそれぞれ認識するシステムを短期間で現場に導入することが実現される。

これにより、従来目視で行っていた不審者の発見の自動化、小売店での来店者の購買行動の認識からそれぞれの商品の関心度の調査の実施、工場での熟練者と初心者の技能比較といった課題の解決に貢献できるとしている。

  • 「Actlyzer」の各種業種・業務への適用イメージ