PALTEKは9月25日、スパースモデリング(複雑な分析で用いられた計算式を特徴のみ抽出して単純化するデータ分析の方法論)技術を利用したAI、学習・推論に対応するエッジAI、ホワイトボックス型AIを提供するハカルスが同技術を活用し、開発した既存の外観検査装置(AVI)や自動光学検査装置(AOI)を補完するAIベースの外観検査サービスの提供を開始した。同サービスを利用することで、二次検査の省人化・無人化の実現が可能になるという。
外観検査は、不良品の流出防止に加え、製品品質向上にとって重要な役割があるが、既存のAVIやAOIでは高い検査性能を実現する一方で、誤検知や過検出が多いという課題を抱えているため、二次検査として人手を介した検査が行われているのが現状だという。
ハカルスの外観検査サービスは、既存のAVI/AOIシステムを補完するAIベースの外観検査サービスとなり、少量の教師データまたは教師データなしの環境での機械学習をサポートする。
これにより、二次検査にかかるコストや人件費を削減することに加え、外観検査サービスは単体のアプリケーションとして使用できるほか、既存のシステムにモジュールとして組み込むことを可能としている。
APIやSDKを利用することで、稼働中の検査ラインへの導入や自社製品へのAI機能の追加を容易とし、単体のアプリケーションとして使用する場合は管理者向けのダッシュボードと作業者向けの操作パネルをインターフェースとして提供する。
主な特徴として既存のAVI/AOIシステムから画像データを受け取り、AIが二次検査を実施するほか、基板や精密部品、金属、プラスチック、食品などさまざまなワークに対応することで、それぞれに最適なAIのモデルを用意している。
また、スパースモデリング技術を利用したAIを使っているため、少量の教師データまたは教師データなしで学習を行うことが可能なことにl加え、環境変化によるAIの性能低下をエッジ側での追加学習で防ぐことができるという。
有効なケース例として、既存の外観検査装置で検査ができないような背景を持った製品の外観検査を行うケースや、不良品の見逃しを防ぎ、流出防止を行うため過検出(誤検知)が増加しているケースなどを挙げている。
PALTEKでは、2019年12月末まで同サービスのベータトライアルユーザーを募集し、トライアルに申し込んだ場合、通常は有償となっているパイロット分析(PoC)が1回無料となるという。