NECは4月22日、銀行・証券などの金融機関やFinTech事業者向けに、利用者の口座開設や住所変更時に必要となる本人確認(KYC:Know Your Customer)をオンライン上で迅速かつセキュアに実現する本人確認サービス「Digital KYC」の第1弾として、改正犯罪収益移転防止法に対応するとともに、標準規格「FIDO(ファイド)」に準拠し、本人の顔と本人特定書類の顔画像を照合するソフトウェアキット「Digital KYC SDK(Software Development Kit)」の販売を開始した。

同ソフトウェアキットの特徴は、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術である顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用し、迅速かつセキュアな本人確認の仕組みを提供する。

具体的には、スマートフォン向けアプリを用いて、本人の顔と本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)を画面に表示される指示に従い撮影し、氏名や住所などの必要事項を入力することで、オンライン上で本人確認のための一連の手続きが可能となる。

  • 本人確認のフロー

    本人確認のフロー

これにより、従来型の転送不要郵便や本人限定受取郵便による本人確認方法と比べて、金融機関やFinTech事業者による本人確認手続きの業務効率化とともに、利用者へのサービス提供までの期間の大幅な短縮による利便性向上を実現するという。

また、なりすまし防止技術により、写真などを利用した不正行為による本人確認の手続きを判別することで、本人確認の手続きにおけるリスクを低減するとしている。

さらに、生体情報などのデータを端末外部に送信することなくオンライン認証可能な標準規格であるFIDOに準拠しており、撮影した顔と本人確認書類の顔画像の照合をスマートフォン内で完結するため、利用者のプライバシーに配慮したセキュアな本人の照合を実現するという。

なお、Digital KYC SDKは、LINE Payが提供するスマートフォンを使って「LINE」内で本人確認を行うことが可能な「LINE Pay かんたん本人確認」で先行して採用し、5月初旬から利用が開始される。