NECは3月18日、生体認証による決済の社会実装に向けた取り組みの一環として、クレジットカードと連動した顔認証決済サービスの実証実験を、同社グループ社員向けの福利厚生施設「NEC芝倶楽部」で同日から4月19日まで実施すると発表した。
実証実験では、同社の生体認証「Bio-IDiom」の中核技術である顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用し、NEC芝倶楽部の飲食サービスを利用する同社グループ社員を対象に手ぶらで代金支払いが可能なキャッシュレス決済の仕組みを提供する。
今回の顔認証決済サービスは、カメラ機能を搭載するPCやスマートフォン、タブレット端末など用いて、事前に撮影・登録した利用者の顔画像とクレジットカードの情報をシステム上で関連付け、飲食代金の支払いの際にはレジカウンターに設置したカメラで撮影する顔画像と事前に登録した顔画像を照合し、本人確認を行う。
これにより、利用者はクレジットカードの提示や現金を使用することなく、安全性と利便性を兼ね備えた手ぶらでの決済が可能となる。
なお、同社は実証実験などの成果を活かし、従来から提供している複数の決済サービス事業者との中継・連携を一括して行う決済ソリューション「マルチサービスゲートウェイ」のオプション機能として、顔認証決済サービスを2019年内に販売開始を予定している。
同社は実証実験を通じて、不特定多数の人が利用する実店舗における認証性能や運用負荷を評価・検証し、技術性能や運用ノウハウを蓄積することで、利用者の利便性・安全性の向上を実現するとともに、今後も顔認証決済サービスの普及拡大に向けて推進していく考えだ。