SB C&Sとホロラボは2月25日、製造業・建設業向け可視化ソリューション「mixpace(ミックスペース)」を共同開発し、サブスクリプションモデルでの販売を開始すると発表した。価格は、いずれも税別で「mixpace standard」が年額116万4000円、「mixpace standard + R」が同138万円、「mixpace trial」が9万2000円/60日。
新ソリューションは、3D CAD(Computer Aided Design)やBIM(Building Information Modeling)で作成した設計データを自動でAR(Augmented Reality)/MR(Mixed Reality)に変換し、Microsoft HoloLensをはじめとしたAR/MR対応デバイスで確認を可能としている。
ホロラボ 代表取締役の中村薫氏は「Webブラウザに3D CADやBIMデータなどのファイルをアップロードすれば自動でクラウド上で変換し、実寸大によりMRで閲覧でき、手間なく活用することをを可能とした。今後はHoloLens 2への対応も予定している」と述べた。
そのほかの特徴としては、AR/MR開発の専用スキルがない人でも簡単に利用でき、作業効率が向上するほか、クラウドサービスを活用することで、場所や環境を選ばずいつでも利用を可能としている。また、オートデスクの「Autodesk Forge」を採用しており、数十種類のファイルフォーマットに対応していることに加え、変換されたデータはMicrosoft Azure上のセキュアなストレージに保存し、高いセキュリティを保持するという。
機能は、Webサイトではモデルのアップロード・変換、フォルダ分けおよび権限、フォルダ感のファイル移動・コピー、HoloLensはモデルの表示・移動・回転・拡縮、ローカル保存(オフライン対応)となる。
今後のロードマップは、機能面では定規、平面への設置、BIMの属性表示、現実との位置合わせ、シェアリング(モデル操作の共有)、音声・テキストなどの記録、遠隔支援、プラットフォームはBIM360、ArchiCADへの対応、デバイスはHoloLens 2に加え、Windows MR(VR)、Windows(2D)、iOSへの対応を計画している。
新ソリューションは主に設計、製造、建設、配置シミュレーション、施工、保守などの各シーンにおいてリアルスケールおよびデジタルモックアップでの活用を想定し、SB C&Sが契約する全国約1万社の販売店を通じて、ユーザーは導入に際し、技術的なサポートやアドバイスのほか、SB C&Sの取扱商材からXR関連のソフトウェアおよびハードウェアの調達、周辺サービスの導入の提案までをワンストップで受けることができるという。
販売・マーケティング戦略についてはSB C&S ICT事業本部 MD本部 本部長の永谷博規氏が説明した。
同氏は「今後、AR/VRへの企業の投資は確実に増加していくことが見込まれている。われわれとしてはCAD/AR専任部隊による全国訪問や同行支援に加え、製品デモ・体験会をはじめとした展示会、セミナーを開催することで、マーケットを盛り上げていきたい」と、力を込めていた。
また、SB C&S 上席執行役員の草川和哉氏は「今後は2020年にスタートする5Gの高速大容量、低遅延、多接続の特徴とAR/MRを組み合わせることで、生産性の向上に貢献できればと考えている」と期待を口にしていた。