日本マイクロソフトは30日、ブロックチェーン技術に特化した開発やコンサルティングを行うLayerXと協業し、エンタープライズ市場におけるブロックチェーン技術普及に向けた取り組みを開始することを発表した。
LayerXは、情報キュレーションアプリ「グノシー」を展開するGunosyとFitech事業を手がけるAnyPayが今年の8月に設立したジョイントベンチャー企業で、各企業のビジネスアセットとブロックチェーン技術の実行可能性の探求や実証実験の運用を行っているほか、フェイクニュースを無くすプロジェクトFactchainや毎月ブロックチェーンエンジニアだけが参加できるイベントを開催するなど国内でのブロックチェーン技術普及に取り組んでいる。同社CEOの福島 良典氏は、グノシーを開発したGunosyの取締役ファウンダーでもあり、2012年のIPA未踏スーパークリエイターにも認定されている。GoogleやAmazonが膨大な研究開発費を投じるなか、いかにブロックチェーンという技術を国内で浸透させていくかを同氏は設立時にMediumに寄稿している。
日本マイクロソフトは30日、LayerXと協業し国内でのブロックチェーン導入に取り組むことを発表した。Microsoftは2016年よりAzure上でのBaaS(Blockchain as a Service)を提供、米株式市場NASDAQのNasdaq Financial Frameworkに導入されるなどブロックチェーン構築のためのインフラを提供しており、ブロックチェーン領域における技術開発力を持つLayerXとの連携により、顧客ごとの事業領域やサービスなど自社のどの領域がブロックチェーンを活用できるのか?などの導入のためのコンサルティングから実際の実装までトータルに支援していく。同社は、システムやサービスのゼロダウンタイム運用や、改ざん耐性が高いデータの監査透明化や効率化、スマートコントラクトによる業務フローの自動化などブロックチェーン導入のメリットを挙げながらも、実際にどのような領域で実現すべきかわからないという企業の声が多いことを背景として挙げている。