IDC Japanは11月28日、国内ITサービス市場におけるITインフラストラクチャの設計/構築、アウトソーシング、サポート&トレーニング、セキュリティの各領域の影響を定量的に切り出した、国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表した。
これによると、2017年の国内ITインフラストラクチャサービス市場規模は2兆5315億円であり、2017~2022年の年間平均成長率(CAGR)は1.1%と予測している。
ITインフラの設計/構築を中心とするITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション市場は、既存システムの更改/入れ替えをきっかけとしたクラウドマイグレーションに伴うITインフラ再構築の需要などにより、2017年の前年比成長率は1.3%となった。
2018年以降の成長率は低下し、2021年にはマイナス成長になると想定しているが、2022年にはIoTなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)領域でITインフラ整備の需要が期待できることなどから、再びプラス成長を示し、2017~2022年のCAGRは0.2%になると同社は予測している。
ITインフラストラクチャアウトソーシング市場は、クラウドやデータセンターサービスの利用拡大や、複雑化するITインフラ運用管理の外部委託需要などに支えられ、2017年の前年比成長率は3.1%と堅調だった。2018年以降もこの傾向は継続し、安定した成長率を維持してITインフラストラクチャサービス市場全体を牽引するセグメントとなり、2017~2022年のCAGRは2.7%になると予測。
また、ITインフラストラクチャサポートサービス市場は、引き続きハードウェアサポート&保守の縮小傾向の影響が強く、2017~2022年のCAGRはマイナス1.1%になると推測している。
ITインフラストラクチャセキュリティサービス市場は、多くの企業において情報セキュリティ対策に対する意識の高まりが持続していることから、2017年も5.5%の前年比成長率を示した。
この傾向は2018年以降も継続し、主にマネージドセキュリティサービスが牽引して安定した成長率を維持するとみられ、2017~2022年のCAGRは5.9%になると予測。企業の間でクラウドファーストの考え方が徐々にスタンダードになりつつある一方で、クラウドの利用拡大が必ずしも企業にとって負担の軽減につながらないという状況が起きているという。