PayPay 代表取締役社長執行役員CEO 中山一郎氏

ソフトバンクとヤフーの共同出資会社であるPayPayは11月22日、全国のファミリーマート約1万7000店でスマホ決済サービス「PayPay」が利用可能になる12月4日に合わせ、PayPayでの支払額の一部または全額を還元する「100億円あげちゃうキャンペーン」を2019年3月31日まで実施すると発表した。

「PayPay」は今年10月に提供が始まったバーコード(1次元バーコード、QRコード)を使った実店舗でのスマホ決済サービス。支払いは電子マネーまたはクレジットカードにより可能で、また、バーコードの読み取りはユーザーがアプリで読み取る「ユーザースキャン」とユーザーがアプリに表示したバーコードを事業者側が読み取る「ストアスキャン」に対応している。

PayPay 代表取締役社長執行役員CEOの中山一郎氏は、「PayPay」の特徴について「競合のサービスに比べ、多様な支払い方法と手段に対応していること」と語った。また、同社のビジョンについて「PayPayによって、新たなお金の流れを日本で作りたい。それにより、日本の皆さんの生活を便利で豊かなものにしたい」と説明した。

今回、競争が激化しているキャッシュレス決済市場でシェアを獲得するための施策として発表されたのが「100億円あげちゃうキャンペーン」となる。

同キャンペーンは、PayPayで支払いをすると支払い額の20%がPayPayボーナスで還元されるキャンペーンと、40回に1回の確率で支払い額の全額がPayPayボーナスで還元されるキャンペーンの2つをあわせたもの。Yahoo!プレミアム会員、ソフトバンク とワイモバイルのスマホユーザーは全額還元の確率が上がる。還元額として100億円が予定されており、1人当たり月額5万円まで還元が可能。

加えて、同日より、PayPay残高に5000円以上をチャージした人に、1000円相当のPayPayボーナスを上乗せするキャンペーン(1人1回のみ)、ソフトバンクとワイモバイルのスマホユーザーで新たに支払い方法を登録した人に500円相当のPayPayボーナスをプレゼントするキャンペーンも開始する。

ソフトバンクグループの豊富な資金力を武器に、グループ総出でキャッシュレス決済の市場を獲得していこうという戦闘姿勢だ。現在、さまざまなスマホ決済サービスの提供が始まっており、どのサービスを本命として利用するかを決めかねている消費者も多い中、PayPayによって大規模な還元キャンペーンによってポイントをユーザーに付与することで、ユーザーを囲い込もうというわけだ。

  • 「100億円あげちゃうキャンペーン」

  • PayPayが新たに行うキャンペーンの概要

ファミリーマート 代表取締役社長 澤田貴司氏

発表会には、ファミリーマート 代表取締役社長 澤田貴司氏も登壇し、同社のキャッシュレス決済に関する取り組みについて説明した。同社は今年10月、スマートフォンによるバーコード決済サービス6種類への対応を発表したが、その中にPayPayが含まれている。

澤田氏は、ファミ―マートでは現状、決済サービスとして主要8ブランドのクレジットカードと14種の電子マネーに対応しているが、12月よりバーコード決済を導入開始することで、インバウンド対応を進めたいと語った。

12月は全店導入に伴い、約2000店舗でキャラバンを実施し、来年1月からレジの画面などを活用した告知を展開するという。

また、ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの榛葉淳氏は「ソフトバンクグループが元々持っている営業力を生かし、グループの総力を挙げて、今回のキャンペーンをトリガーにJ日本のQRコード決済のナンバーワンカンパニーになりたい」と、ヤフー 代表取締役社長の川邊健太郎氏は「もう1つのヤフーを作るぐらいの意気込みで、PayPayのビジネスに取り組んでいく」と、両社もPayPayのビジネスに対しかなりの熱量で臨んでいることをアピールした。

加盟店に対しては、「初期投資、固定費、決済・入金手数料が0円」「ジャパンネット銀行なら翌日入金」といった施策を展開している。

発表会には、PayPayの導入を決定した企業として、HIS、エディオン、ビックカメラなどの担当者が登壇し、PayPay導入に向けての期待などについて語った。

さらに同日、PayPayのテレビCMにお笑い芸人の宮川大輔さんを起用することも発表、発表会には同氏とタレントの藤本美貴さんも登場し、CMで踊るダンスを披露した。