東北大学災害科学国際研究所、東京大学地震研究所、富士通、川崎市の4者は10月30日、12月9日に川崎臨海部で開催予定の川崎市津波避難訓練において、より安全な津波避難に向けたICT利用の実証実験を共同で行うと発表した。
4者は2017年11月から「川崎臨海部におけるICT活用による津波被害軽減に向けた共同プロジェクト」を進めており、実証実験はその一環として行う。同訓練を目的に開発した避難支援スマホアプリ(試作版)を住民が使用することで、避難に必要な情報を自ら取得する自助と、被害状況を地域で共有する共助を支援する。
訓練を通して得た今回の避難行動データとともに、スーパーコンピュータを用いた多様なケースの避難シミュレーション結果も併せ、同地域における津波避難の課題と必要な対応について幅広く検討する。
実証実験で得たデータや知見は、今後のスマホアプリによる避難支援の効果的手法の検討や、避難行動を予測するシミュレーションモデルの高度化に向けた基礎データとして利用し、川崎臨海部および他地域の防災力の強化に貢献していく。
実験用アプリは、避難者が被害状況(通行困難地点)を写真やコメントとともに投稿する機能、投稿があった避難経路上の被害状況を参照する機能、地域コミュニティでの災害情報を共有する機能(掲示板)、避難経路・時間の取得機能を備える。
なお、同実験の概要と産学官共同プロジェクトのこれまでの成果は、11月5日に川崎市で開催予定の平成30年度「津波防災の日」スペシャルイベントで紹介を予定している。