ソフトバンクグループのPSソリューションズは15日、同社が開発するAIを活用した農業向けIoTソリューション「e-kakashi(いいかかし)」の実証実験を行うハウス農園「BASE(Bridging Agriculture and Scientific-knowledge by e-kakashi)」を神奈川県横浜市に開設したことを発表した。

「e-kakashi」は、農場からIoT機器で収集した環境データを植物科学に知見を学習させたAIで分析し、作物の成長にあわせた最適な栽培方法を提案するソリューション。国内外300以上で稼働しており、5月には伊藤忠飼料、CKDの3社で"養鶏IoTサービス"の開発も発表している。農園では、「e-kakashi」の子機3台による環境データ収集のほか、室内環境を制御するサービス「e-kakashi Tetori」によるハウスの窓開閉、かん水制御装置や液肥装置などの遠隔操作などにも取り組む。

  • ハウス農園「BASE」でのe-kakashiの様子(同社資料より)
  • ハウス農園「BASE」でのe-kakashiの様子(同社資料より)
  • ハウス農園「BASE」でのe-kakashiの様子(同社資料より)

Hiramoto Farmを運営する平本貴広さん(同社資料より)

Hiramoto Farmを運営する平本貴広さん(同社資料より)

実証実験を行うハウス農園「BASE」は、神奈川県横浜市にある江戸時代から続くという老舗農家平本貴広さんの協力のもと、運営するHiramoto Farm内に設置される。地元神奈川で農産物のコラボイベントや、農場視察ツアーや親子料理教室なども実施している平本さんは、「少量多品種の栽培は、品種ごとに必要な生育環境が異なるため管理に苦労していました。これからe-kakashiで環境データを数値化することで、現状把握だけでなく収穫適期予測や防除計画が立てられるようになるので、働き方が変わると期待しています。新しい技術や知見を導入することで、新しい農業の形をつくっていきたいです」とのコメントを寄せている。Hiramoto Farmでは、ピーマン、きゅうり、トマト、ナス、ゴーヤなどの少数多品種での栽培を行っている。