NTTドコモとNEDOは10月5日、横浜市と共同で横浜MaaS(Mobility as a Service)「AI運行バス」実証実験を開始すると発表した。

実証実験はスマートフォンなどで観光施設、グルメスポットやイベント情報の検索を可能とし、行きたいときにダイレクトに移動できるオンデマンド乗合交通のAI運行バスを一般モニターが体験できる。

  • 「AI運行バス」アプリケーションの概要

    「AI運行バス」アプリケーションの概要

期間は2018年10月5日~12月10日(月)を予定し、実施エリアはみなとみらい21、関内エリア周辺、乗車料金は無料、運行時間は午前10時~午後9時、車両台数は10台(4~6人乗客定員のタクシー車両)、ターゲットは環境客を中心とした来街者。

  • 「AI運行バス」乗り換えポイント一覧(31カ所)

    「AI運行バス」乗り換えポイント一覧(31カ所)

内容はリアルタイムで最適な車両・ルートを導き出すAI配車機能に加え、店舗・商業施設がブログ感覚で、施設情報の告知や集客のためのクーポンをリアルタイムに利用者に伝える情報配信機能を統合し、MaaSプラットフォームへ進化させたAI運行バスを運行する。また、250を超える観光・グルメ・アミューズメントなど商業施設との連携により、エリア内の回遊性向上の効果を検証。

実験の狙いとしては移動手段に加え、商業施設のサービスをMaaSプラットフォームとして統合することで、交通と商業施設の連携を促し、交通需要増大および商業施設の売上向上につなげ、結果として移動の社会課題解決を図るという。

  • 商業施設用パートナーポータルサイトの概要

    商業施設用パートナーポータルサイトの概要

NEDOは、AI技術の社会実装の実現に向けた研究開発プロジェクトを今年度から開始し、AI運行バスの運行は同プロジェクトの一環である「人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現」の実証実験として実施するものとなる。

また、横浜市ではAI・IoT等により新ビジネス創出を促進する「I・TOP 横浜」の取り組みにおいて、街の回遊性向上ならびに商業施設への送客効果による経済の活性化、賑わいの創出をめざす「まちの回遊性向上プロジェクト」を立ち上げており、実証実験は同プロジェクトの1つとして実施。

さらにドコモは、今後もAI・IoTにより、未来の移動需要※3を見える化し、さまざまな移動手段の効率的運行による交通全体の最適化と、移動×サービスによる新たなビジネスの創出により、移動の社会課題の解決、利便性の向上、地域経済の活性化に貢献するという。

なお、実証実験はJR東日本主催のモビリティ変革コンソーシアムDoor to Door推進WGにおける「Suica認証による交通事業者・デマンド交通・商業施設の連携に関するMaaS実証」と連携して実施する。