国内最大級の電子チラシアプリ「Shufoo!(シュフー)」。現在では、全国3,800企業、112,000店舗のチラシを配信し、30~40代の主婦層を中心に月間1,100万人が利用し、月間3.8億PVを叩き出す巨大サービスとなった。40代以下の主婦層は日本で2,500万人ほど。4人に1人がShufoo!を使っていることになるという。

  • 「Shufoo!」のPVの推移

  • ユーザー属性

「日本の消費のほとんどは、主婦が日常生活で行う買い物で構成されています。『主婦はターゲティングしづらい』とデジタルの世界では思われていますが、日本の消費を動かしているのは主婦の皆さんです」

そう語るのは、Shufoo!を運営する凸版印刷 メディア事業推進本部 副本部長 亀卦川篤(キケガワ アツシ)氏だ。17年前の2001年8月から運営を開始したShufoo!の軌跡を亀卦川氏に聞いた。

  • 凸版印刷 メディア事業推進本部 副本部長 亀卦川篤氏

ASP利用料が収益の柱だった

Shufoo!が産声をあげたのは2001年。メディア事業推進本部 本部長・山岸氏が大阪で営業をしていた時代に、自身が担当する企業のチラシをWebで見られるようにしてみては? との発想からスタートした。

数店舗のチラシをスキャンし、それぞれのサイトで見られるようにしたのが始まりだったという。まだブロードバンドもない「紙の時代」だったが、山岸氏を含む4~5人で大阪を中心に、この「仕組み」を売り込む時期が8年ほど続いたという。

亀卦川氏が同部に異動したのは2010年。すでに20,000店舗が顧客となっていた。現在とは異なるビジネスモデルで、企業の折込チラシを凸版印刷がスキャニング・デジタライズ化し、企業サイトへのアップロード、ASP利用料を受け取っていた。

「当時、山岸と『このままASP利用料を収益の柱にし続けても、大手が参入してくるだろうし、これ以上は伸びない。ビジネスモデルを変えよう』と一緒に話し合いました。ASP事業は継続しながらも、Shufoo!のスマホアプリをリリースしたのが2010年。ブランドメディアとして存在していたShufoo!をマネタイズメディアに転換したのが翌2011年9月のことです」(亀卦川氏)

ビジネスモデルを転換。1枚10円の「チラシPV」

泥臭い営業を積み重ねて集めた20,000を超える掲載店舗数は、Shufoo!の独自資産だ。一方で大手が類似サービスを立ち上げたり、企業側から「Shufoo!からうちの店に集客を強化してほしい」と頼まれたりと、これから進む道を再考しなければならない時期にも差し掛かっていた。

2010年当時、亀卦川氏は新聞購読者が今後も減っていくことを予測。当時の購読率は7割程度だが、20代、30代は30%を切り、基本的に40代以下は新聞を購読していない人が多かった。現にShufoo!の主なユーザーは新聞を購読していない層、つまり折込チラシ現物を手に取らない層であることから、Shufoo!の戦略は正しかったといえる。

  • ユーザーの70%以上が新聞非定期購読者

メディア事業に舵を切ってから、新たな料金体系「チラシPV」を打ち出した。単純なクリック課金ではなく、ユーザーがチラシを確実に見ると、店舗側は1枚につき10円課金される仕組みだ。チラシがユーザーの手で拡大縮小されるなど、完全に表示されたときに限り課金し、自社・凸版印刷のアカウントによる閲覧分は除外するという確実な閲覧となるように工夫をした。

「本来、紙のチラシは配ることにお金を使います。広く配りたいなら広範囲に配ればいいし、限られた範囲に配りたいなら狭い範囲に配ればいい。ただ、Webでやる以上、チラシが見られないとお金をもらってはいけないと考えていました。そうなると固定ではなく、従量課金にせざるを得なかったんです」(亀卦川氏)