LLVMプロジェクトは9月19日(米国時間)、「[llvm-announce] LLVM 7.0.0 Release」において、LLVMの最新版となる「LLVM 7」の公開を伝えた。当初のスケジュールから多少遅れたものの、ほぼスケジュールどおりにリリースされた。

最新版は「LLVM Download Page」からダウンロード可能。LLVM 7は半年にわたる開発の成果物であり、パフォーマンスの向上などが期待できるとされている。LLVM 7の主な注目ポイントは次のとおり。

  • ClangにおいてELFベースx86/x86_64ターゲットに対するtarget属性に対応したファンクションマルチバージョニングを実現
  • clang-clにおけるPCHサポートの改善
  • 予備的なDWARF v5のサポート
  • OpenMP 4.5 NVPTXオフロードのベーシックサポート
  • OpenCL C++サポート
  • FreeBSDにおけるMSan、X-Ray、libFuzzerサポート
  • 暗黙的変換のためのUBSanチェック
  • ELF、COFF、MibGWでの利用がプロダクションレベルに到達したlldにおいて互換性の問題を解消
  • 新たなツール「llvm-exegesis」「llvm-mca」「diagtool」の導入
  • バグの修正
  • 分析機能の改善
  • [llvm-announce] LLVM 7.0.0 Release

    [llvm-announce] LLVM 7.0.0 Release

Mozillaは前日、全Tier-1サポートプラットフォームでLTO (Link-Time Optimization; リンク時最適化)を有効にしたLLVM Clangでビルドするように変更したと伝えるとともに、LLVM Clang 7ではさらに性能の向上が期待できそうだと指摘していた。

LLVMはビルド時間の短さやエラーメッセージのわかりやすさ、生成するバイナリの高速性などから、デフォルトのビルドツールとして採用するプロジェクトが増えている。