KDDI総合研究所は9月4日、第5世代移動通信方式(5G)と第4世代移動通信方式(4G LTE)を同一周波数帯内で共存させる技術の実証実験に成功したことを発表した。
具体的には、シールドルーム内で実験システムを使って実際に4Gと5Gの無線を出力し、Release15で策定された仕様に基づいて4G LTEと5Gを共存させて実証した。しかし、策定された仕様の範囲内では、4G LTEの参照信号と5Gの同期信号がぶつかることにより発生する干渉(システム間干渉)が確認されたという。
そこで、システム間干渉の原因となる4G LTEの参照信号を抑制する手法を新たに考案し、4G LTEの既存機能であるMBSFN機能を応用することでシステム間干渉を抑制可能であることを実証した。
実証された技術を使うことで、帯域分割のように既存システムの帯域を削減することなく、状況に応じ4G LTEと5Gを同一周波数帯内に柔軟に割当てることが可能になり、周波数利用効率が最大化されるという。
これにより周波数移行の過渡期において、どちらかのシステムにユーザーが偏ることにより発生する通信品質の劣化を防ぎ、ユーザーの通信品質を最適化することができるとしている。