砂糖を取るにしても活動時間帯に限った方が肝臓や血中の脂肪量が抑えられることがラットの実験で分かった、と名古屋大学の研究グループが発表した。脂肪肝や高脂血症の予防や改善の参考になりそうだ。研究成果は16日付の米科学誌プロスワンに掲載された。

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    図1 砂糖の摂取時間とメタボリックシンドロームとの関係を示す概念図(提供・名古屋大学の研究グループ)

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    図2 砂糖の摂取時間による肝臓内の脂肪量の差。下の棒グラフの赤は時間に関係なく与えられたグループ。紫は活動時間帯の夜だけに与えられたグループ(提供・名古屋大学の研究グループ)

名古屋大学大学院生命農学研究科の小田裕昭准教授らの研究グループは、人間とは異なり活動時間は夜が中心の夜行性の生後5週、体重90グラムのラットを実験対象に選択。夜間にだけに砂糖を摂取できるグループと、時間に関係なく自由に摂取できるグループなどに分けて実験した。そして約4週間後に肝臓内と血中の脂肪量などを調べた。

その結果、2グループとも体重にほとんど変化がなかったのに、砂糖を活動時間帯の夜だけに与えられたグループは、時間に関係なく与えられたグループより約20%、肝臓内、血中、いずれの脂肪量とも少なかった。

研究グループによると、砂糖の取り過ぎはメタボリックシンドロームの主因と考えられている。このため世界保健機関(WHO)は2015年に、成人の1日の砂糖摂取量を摂取エネルギーの5%未満、目安として小さじ6杯程度(約24グラム)未満にすることを推奨する指針を発表している。

小田准教授ら研究グループは「砂糖を控えなければならないことは理解していてもなかなかできない。今回の研究成果は(人間にとっても)甘いものを食べる時間を日中の活動時間帯に制限することで砂糖の取り過ぎの悪影響を抑えることができることを示している」としている。

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