日本カーソリューションズ(以下 NCS)とエヌ・ティ・ティ・コムウェア(以下 NTTコムウェア)は、整備工場からの複雑な請求伝票の確認業務をAIが代行する技術検証に成功したことを発表した。

これにより、年間百数十万件におよぶ膨大な整備請求伝票に対して、迅速かつ正確な確認、整備工場への速やかな支払の実現、および確認業務の負荷軽減を見込んでいるとしている。

  • 「整備請求伝票の確認業務代行AI」の活用モデル

    「整備請求伝票の確認業務代行AI」の活用モデル

NCSは、オートリースを契約している企業や個人の顧客に、車検・点検・整備を含むメンテナンスリースを提供しており、全国各地の提携整備工場から年間百数十万件におよぶ整備請求伝票の取扱いがある。車種の多様化によりメンテナンスの作業項目や作業時間、部品が車種ごとに異なるため、整備請求伝票の確認業務は複雑化し、高度な専門知識が求められる。

同社では今後、更なる自動車業界の変革や契約数の増加を見据え、膨大な整備請求伝票に対して正確かつ迅速な確認を継続するためには、AIによる業務代行が必要と考えたという。そこで、NTTコムウェアとの協業により、過去の大量データを活用し、「整備請求伝票の確認業務代行AI」の構築に向けた技術検証を実施したということだ。

今回の技術検証では、過去の膨大な整備請求伝票と確認記録に対してデータマイニングを実施し、担当者のノウハウをパターン化して出現頻度の高い確認パターンをAIに学習させることで、担当者と同等の確認結果が得られるかを検証した。 技術検証を通じ、確認業務をAIに代行させた結果、高い再現性を確認することに成功し、現在開発を進めている。

「整備請求伝票の確認業務代行AI」の活用モデルとしては、AIが確認パターンを学習 / 整備工場が整備請求伝票を登録する際に利用する請求登録システムにAIをアドオン / 整備請求伝票に対しAIによる確認作業を実施し、整備工場に確認結果を即時フィードバック / AIへの確認パターン学習を継続的に行うことで、代行範囲を拡大——となっている。

両社は、その全面実用化に向け、業務代行として適用する範囲の見極めと検証を行い、高い精度であることを確認できた業務領域から順次実用化していく方針だとしている。