大事な部分だけを取り出す"要約"。シンプルに見えるが、非常に手間のかかるプロセスでもある。ダラダラと長いだけのレポートや提案書、企画書に、君は一体何が言いたいのだ?君の文章は冗長だなと指摘されたことは無いだろうか。箇条書きや図、表を使うなど様々な編集工程を踏み、伝えたいことをうまくまとめる技術は、多忙なビジネスシーンでは特に不可欠だ。情報が溢れる時代に"要約"はその中心的なスキルであるとも言えるだろう。

ヒートマップ解析や可視化、AIやテキストマイニング分野など企業での導入実績も進むユーザーローカルは24日、無料で利用できる文章自動要約ツールをWebで公開した。

重要文の抽出には「LexRank」が用いられており、重要単語を多く含み類似度が高い文を抽出。要約アルゴリズムには数学分野の生産計画問題での最適化に利用される整数/線形計画法を活用。3行、5行、10行のダイジェストやマーカー、ヒートマップ、モノトーンのそれぞれユニークな方法で表示する。

サンプルに芥川龍之介の「蜘蛛の糸」が用意されており、これを3行でダイジェストすると

"三途の河や針の山の景色が、丁度覗のぞき眼鏡めがねを見るように、はっきりと見えるのでございます。御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、このかんだたには蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。幸い、側を見ますと、極楽の蜘蛛が美しい銀色の糸をかけて居ります。"

という具合に。同社のプレスリリースを5行ダイジェストで表示すると

"ユーザーローカル、無料で利用できる文章自動要約ツールを公開 URL : https :// text - summary . userlocal .jp /
「マーカー表示」、「ヒートマップ表示」、「モノクロ強調表示」の3つの方式を選択可能です。
仕組みとして、重要文抽出にはLexRank という技術を利用しておる
要約アルゴリズムには整数線形計画法という手法を利用する"

となる。6月にはGoogle Homeとの接続にも対応するユーザーローカルサポートチャットボット、顔から年齢・性別を判定するユーザーローカル顔認識AIの提供と立て続けに技術を公開する同社は、インターネット上のニュース記事やブログなど膨大なテキスト情報を効率的に収集するには、文章中から重要な部分のみをザッピングしていくことが重要になることに言及している。同社代表の伊藤将雄氏は就職情報サイト「みんなの就職活動日記」を早稲田大学在学中に起業するなど、Webにおける情報収集の重要性を逸早くビジネスへと転嫁している。