フリアーシステムズジャパン(FLIR)は、7月18日~20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている生産設備から社会インフラ、各種災害対策まで「メンテナンス」「レジリエンス」に関する最新の製品・技術・サービスが一堂に介する展示会「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018」において、スマートフォンで使えるパーソナルサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」の紹介などを行なっている。

同製品はコネクタの形状により、iOS対応機種(ライトニングコネクタ)とAndoroid対応機種(USB Type-C)の2製品が用意されている。同社はProの名前がつかないバージョン(FLIR ONE)も販売を行なってきたが、それら従来機種との違いは、熱画像解像度が160×120画素に向上、視野角も55°×43°(±1°)に向上、画像モードもMSX/熱画像/可視画像(デジタルカメラ)の3種類に対応、スポット測定も3か所(移動可)に増加、温度範囲設定もスポット/ボックス/サークルの3種類に設定可能といったさまざまな側面での性能向上が図られており、文字通り、個人ユースではなく、ビジネスユースでの活用にも耐えうる性能を実現した点となる。

  • スマホにつなげて使えるサーモグラフィ「FLIR ONE Pro」

    スマホにつなげて使えるサーモグラフィ「FLIR ONE Pro」。ライトニング版とUSB Type-C版の2機種が提供されている

例えば熱画像とデジタルカメラの画像は同時に撮影され、重ね併せて見る事が可能だ。また、アプリ上で、測定温度範囲の設定をすることで、-20~400℃までのレンジを柔軟に見ることができる。

これさえあれば、従来のガンタイプの製品などは必要ないようにも思えるが、必ずしもそうとは言い切れない。解像度や温度範囲、測定スポット数などの性能に違いがあるのは当然だが、小型であるがゆえに動作時間が、そうしたガンタイプなどの比較的大型サーモグラフィと比べて40分と短い(ライトニング/Type-C経由での充電はされない)という点に注意する必要があるという(別コネクタで用意されている充電ポート経由で給電をしつつの活用は可能)。

  • 「FLIR ONE Pro」のデモ
  • 「FLIR ONE Pro」のデモ

  • 「FLIR ONE Pro」を実際に利用している様子。展示会場内は天井付近がかなり暑いことがわかる

なお、価格はメーカー希望小売価格で4万9800円(税別)となっており、ガンタイプなどのほかの製品と業務用途に応じた使い分けが期待できるとのことで、例えば、それほどシビアな測定が多くないが、作業員が複数居るような現場では、FLIR ONE Proを活用してもらい、そのチェックの中で、より高精度な測定などが必要な場合が生じたら、1台だけある高性能なガンタイプモデルを活用する、といったことなど、新たな活用シーンの創出にもつながる可能性があるとしている。

また、個人ユースでも近年、ProではないFLIR ONEの活用が広まりを見せつつあり、そうしたユーザーのProへの買い替えも期待できるとしていた。