ソフトバンクと米CloudMinds Technology(クラウドマインズ)は5月29日、ブロックチェーンをベースとした高セキュリティな認証ソリューションを共同開発したと発表した。

新ソリューションは、クラウドマインズのブロックチェーンベースの認証ソリューションと、モバイルキャリアの認証プラットフォームを組み合わせたものとなる。

IoTやロボティクス、FinTechなどの領域が急速に発展する中、流通するデバイスが多様化し、サービス認証やネットワーク接続を行う機会が増加するなど、デバイス、ユーザー、サービスを連携して管理することは重要になっているという。

クラウドマインズのデバイス認証と、モバイルキャリアのユーザー認証を統合した新ソリューションは、モバイルデバイスとユーザーを連携させ、サービス利用時の認証を行うことを可能としている。

具体的には、モバイルデバイスの識別子(デバイス固有のID)と所有者情報をブロックチェーン上のIDに関連付けることで、モバイルデバイスの所有者を安全に認証することができるため、ユーザーは、IDやパスワードを入力することなくウェブサイト上のさまざまなサービスにログインができるようになるという。

新ソリューションのフレームワークにおいては、DDoS攻撃対策が可能なSDP(Software Defined Perimeter: 米国国防省情報システム局で開発され、ネットワークを経由したさまざまな脅威からアプリケーションインフラや利用者の情報を守るための機能)プロトコルを採用し、同技術により、新ソリューションは高セキュリティなID管理共通基盤を提供することを可能としている。

クラウドマインズは、IoTとロボティクス分野でブロックチェーンを活用した実績を持ち、ブロックチェーンベースのソリューションを提供しとえり、今回の共同開発で採用された同社のPermissioned Chain(CMPC)技術は、コンセンサス(合意形成)方式として「Legitimate Proof of Work」(LPOW)を使用している。

これは膨大な計算能力を必要とせずに「51%攻撃」(悪意あるグループまたは個人がブロックチェーンにおける取引の承認権の51%以上を独占して、不正な取引の承認や正当な取引の否認を行いネットワークを乱すこと)を防止するための特別な仕様となっており、これらのソリューションはエンタープライズ分野、特に「the Identity of Things(IDoT)」の分野に適しているという。

IDoTは、すべてのインテリジェントデバイスに共通のID空間を提供する共通のID管理プラットフォームであるため、デバイスは世界中の他のデバイスとの相互認証が可能になることに加え、CMPCは実社会のニーズに応じた階層的なID管理構造に対応している。